2017年シーズンから採用される予定のコクピット保護システム「ハロ」に、ニコ・ヒュルケンベルグが異論を唱えている。
23日(火曜)にF1コミッションを迎えて開かれるジェノバでのミーティングでは、2017年のレギュレーションに関しての話し合いが行われる。これに向けて、最近FIAとF1チームのテクニカルチーフらがハロについての掘り下げた議論をしたという。
ハロはテストを受けた3種類のコクピット保護システムのひとつで、FIAがソリューションとして導入を推奨している。1月末にはチーム向けのプレゼンテーションも行われていた。
以前からクローズド・コクピットに反対していたヒュルケンベルグは、ハロも支持しないと語る。
「個人的なことだよ。(クローズド・コクピットは)好きじゃない。僕としては、オープンであるべきだと思う」
ハロを好むかどうかとの質問に対し、ヒュルケンベルグは「好きではない。これまで通りにしてほしい。シングルシーターのマシンは常にオープンであるべきで、僕としては今のままがいい」と、英国オートスポーツに答えている。
昨年のル・マン24時間を制した際にはクローズド・コクピットのマシンをドライブしているが、これについては「それはまた別で、あれはスポーツカーなんだ。彼らは最終的にあの形になったのだし、前に窓がついていたからといって運転に問題が出るわけではない」との意見だ。
23日のF1コミッションのミーティングにおいては、ハロを2017年に導入するか否かの投票も行われる。メルセデスのエグゼクティブ・テクニカルディレクターを務めるパディ・ロウは、来シーズンに何らかの装置が投入されることを望んでおり、以下のように述べている。
「私がF1の世界に入った80年代後半以来の、安全面での進歩は目ざましいものだった。マシンそのものを見ても一目瞭然で、衝撃吸収構造になっていたり負荷試験が設けられていたりする。それだけではなく、サーキットの設計や設備といった他の部分でも進化がある。しかし、マシンに関してはどの面を見ても常に改善の余地がある」
「私の考えとしては、F1に限らず他のシングルシーターにおいても、ドライバーの頭は最も大きなリスクだ。間一髪という場面は何度も目撃しているし、大変悲しいことに近年の事故での死因は頭部の怪我にある。メルセデスを含め、多くのチームがドライバーを保護する構造の研究を強く支持している。数年に渡って進行しているプロジェクトであり、できるだけ早期に採用し、レギュレーションに盛り込もうとする動きになっている。いくつもの提案があり、そのなかには非常に現実的なものもあるので、2017年には解決策が見られることを期待する」