22日、今シーズン初の合同テストがスペイン、バルセロナにあるカタルニア・サーキットで幕を開け、初日はフェラーリの新車SF16-Hを駆るセバスチャン・ベッテルが総合トップタイムをマークした。
今年から新規参戦するハースを加えた全11チームが一同に会した新シーズン初の合同テスト。スタートを前に、ルノー、フォース・インディア、トロロッソ、マノーの4チームが新車を初公開するなど、例年通り慌ただしい幕開けとなったテスト初日は、多くのチームが順調に周回を重ねる無難なスタートとなった。
そんななか、初のセッションで総合トップタイムをマークしたのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。新車SF16-Hのステアリングを握ったベッテルは朝のセッション終盤にミディアムタイヤを履いて1分24秒939をマークすると、午後はタイム更新こそしなかったもののトータル69周をトラブルフリーでこなすなど、幸先の良いスタートを切った。
この日、フェラーリは朝から空力のチェックやマシンの基本的なセットアップの調整を行ったほか、機能的なテストや異なる燃料でのコンスタントなスピードランなど、各種のプログラムに取り組んでいる。
2番手はメルセデスW07をドライブしたルイス・ハミルトンとなったが、彼は朝のセッションで早くもレース距離に相当する66周を走ると午後にはさらに90周を追加。トータルでは156周と唯一、100周を軽く超える距離を走破した。この日のメルセデスは各部のシステムチェックと多くのデータを収集するためマイレージを稼ぐ目標を掲げていたが、フェラーリと同じミディアムタイヤで記録したベストタイムもトップからコンマ5秒と、W07が引き続き速さと信頼性を兼ね備えていることを証明した。
メルセデス同様、信頼性を初日のテーマに掲げたレッドブルが87周を走って3番手。ルノー製パワーユニットにタグ・ホイヤーのバッヂネームをつけたRB12は午前中に小さな問題を抱えたが、その後は15周のロングランも実施、テストを担当したダニエル・リカルドも「ポジティブな第1印象だ」と笑顔で一日を終えている。
そのレッドブルに100分の5秒差で4番手につけたのがウイリアムズFW38をドライブしたバルテリ・ボッタスだ。彼らも2、3の問題を抱えたが、その後はシャシーに関する複数のテストを行うとともに、より多くの距離を走行することに集中。昨年まで低速域でのパフォーマンスに問題を抱えていたが、この日ステアリングを握ったボッタスは「第1印象はいいし、昨年までの問題をかなり改善したと思う」とコメントしている。5番手は開発ドライバーのアルフォンソ・セリスが初日のシェイクダウンを託されたフォース・インディアがつけた。
ミディアムタイヤのトップ4に対してソフトタイヤで1分26秒735を記録したマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンが6番手。バトンのMP4-31は開始早々に小さな不具合に見舞われたが、その問題を解決すると午前だけで35周、午後は49周を重ねるなど各種のプログラムをこなしながらトータル84周をマーク。これは、昨年の第1回合同テスト(ヘレス:4.428km)の4日間でマクラーレン・ホンダが走った周回数(79周)を上回るものだった。(カタルニア・サーキットは4.655km)
暫定カラーの新車STR11を走らせたトロロッソのカルロス・サインツJr.はギヤボックストラブルで55周止まり。チームはギヤボックスのオイルシステムのデータに少し不具合の兆候がみられたため、予防措置として走行を取りやめたと説明している。
8番手は昨年型C34の改良版を走らせたザウバーのマーカス・エリクソン。ルーキーのパスカル・ウェーレインとともに新車を公開、シェイクダウンを兼ねて88周を重ねたマノー・メルセデスが9番手につけた。
注目のアメリカン新チーム、ハースはロマン・グロージャンがドライブを担当したが、朝のセッションでフロントウイングを失ってしまい、この日最も少ない31周に終わった。最下位はジョリオン・パーマーがドライブしたルノーとなっている。
明日、2日目のテストにはフェルナンド・アロンソが登場する。