2月22日にVF-16の画像を公開したハースF1チームは、デビューシーズンでのポイント獲得は可能という従来の考えをあらためて繰り返した。
近年の新規参入チームにとって、選手権ポイントの獲得はなかなか手の届かない目標だった。ロータスとヒスパニアという名称で出発した2チームは一度もポイントを得られないまま解散し、ヴァージン/マルシャ/マノーも2014年モナコGPでのジュール・ビアンキの9位入賞が過去6シーズンで唯一の得点記録だ。
だが、フェラーリと包括的な技術提携を結んでいるハースはVF-16に大きな期待を寄せ、かなり高めの目標を設定している。チームプリンシパルを務めるギュンター・シュタイナーは次のように述べた。
「まずはレースに参加して、しっかりとした仕事ができること、レースで完走できることを示す必要がある。そうしてファンやパドックの他のチームから認めてもらうことだ。それができたら、次のステップとしてポイントを獲得したい。それが今季の最終的な目標だ」
また、シュタイナーはフェラーリ製のエンジン、ギヤボックス、その他のパーツをパッケージングする必要から、新車のデザインはどうしてもフェラーリの影響が濃いことを認める一方で、より幅広くF1のデザイントレンドを取り入れようとも努めたと語っている。
「新チームである私たちは、クルマのデザインに着手するにあたって方向性のベースラインを決めるために、まず成功を収めている他のチームは何をしているかを観察した。チームの経験豊富なデザイナーたちは、主に空力的なディテールの開発でハードワークを続け、その積み重ねはかなりの量に達している。ただ、パワーユニットとギヤボックスはテクニカルパートナーのフェラーリから供給されるので、それによってリヤエンドの形状やボリュームはほぼ決まってしまう」
VF-16という車名は、チーム創立者のジーン・ハースが1988年にCNC工作機械の事業を始めたときに、最初に製造した機械の名称「VF-1」に由来している。このVF-1は「ベリー・ファースト・ワン(=第一号機)」の頭字語だったという。
また、チームがF1マシンに施したグレー、ブラック、レッドのカラーリングも、ハース・オートメーション社の製品に用いられている配色を踏襲したものだ。