2016年02月22日 10:52 弁護士ドットコム
タレントの梅宮アンナさんが、14歳の娘と別居していることをテレビで明かし、話題となっている。2月9日放送の情報番組「白熱ライブ ビビット」(TBS系)に出演した際に告白した。それによると、アンナさんが一人で暮らす一方で、娘の百々果さんは、アンナさんの実家で、祖父の梅宮辰夫さんと暮らしているそうだ。
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アンナさんは離婚後、シングルマザーとして百々果さんを養育してきた。別居理由は「お互いのためなんです。四六時中、子育てをしているとストレス抱えてしまうので。一緒に暮らしていると喧嘩してしまう」ためなのだそうだ。ただ、百々果さんの塾の送りや食事などで、ほぼ毎日会っているという。
反抗期の子どもと喧嘩をするのは、ごく自然なことのようにうつる。単身赴任などの特殊事情ではなく「喧嘩してしまう」という理由で、未成年の子どもと「別居」をすることに、法的な問題はないのだろうか。加藤寛崇弁護士に聞いた。
「梅宮アンナさんの別居については、法的側面からは何ら問題はありません」
加藤弁護士ははじめに結論を述べた。
「梅宮アンナさんは、離婚して娘の単独親権者になっているようです。親権者は、子どもの利益のために監護および教育する義務を負うため、監護教育を怠ったり虐待したりすれば、親権の停止や喪失が決まることもあります。
しかし、親権者としてなすべき監護教育の具体的内容は、個別の具体的事情によって異なるものであり、基本的には親権者の自由です」
同居する義務はないのだろうか?
「親権者のすべき監護教育として、同居が義務づけられているわけではありません。たとえば、父親が単身赴任などで子どもと別居していることもありますし、子どもを全寮制の学校に入れる親もいるわけです。
別居しているからといって監護教育していないことにはなりません。梅宮アンナさんも娘さんとほぼ毎日会って、塾の送迎や食事もしているなら、親権者として監護教育を果たしていないとは言えないでしょう。
また、監護教育は他人に委託することもできますから、祖父母などに一定程度、監護教育を委ねていると見ることも可能です。
したがって、別居しているからといって育児放棄ということにはなりません。現実にも、離婚して単独親権者になった親が仕事の都合などで子どもと別居状態にあり、子どもは祖父母などが面倒を見ている、といったことはしばしばあります。逆に、同居して不適切な監護をしている親もいるわけで、同居しないから悪いという問題でもありません」
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
加藤 寛崇(かとう・ひろたか)弁護士
東京大学法学部卒。2008年弁護士登録(三重弁護士会)。労働者側で労働事件を扱うほか、離婚事件など家事事件も多数扱う。日本労働弁護団、東海労働弁護団に所属。
事務所名:三重合同法律事務所
事務所URL:http://miegodo.com/