2016年からF1世界選手権に新規参戦するハースF1チームは21日、チーム初となるF1マシン『VF-16』を正式に発表した。
ハースは、アメリカの人気ツーリングカーシリーズ「NASCAR」に参戦するスチュワート-ハース・レーシングの共同オーナーであるジーン・ハースが率いる30年ぶりのアメリカンF1チームだ。
彼らは今シーズンからのF1参戦を前に、フェラーリと技術パートナーシップを結び、同社からパワーユニットやギヤボックスなど主要コンポーネントの供給を受けるほか、その他の技術面でもさまざまなサポートを享受することになっており、新規参戦チームとしては順調に新車の準備を進めてきた。
従ってチームは、シャシー製作を担当するダラーラとともにモノコックおよびシャシーの開発に集中。当初、新車は合同テスト初日の今月22日(月)にカタルニア・サーキットで公開を予定していたが、彼らは予定を早めアメリカ時間早朝の21日にVF-16と名付けたチーム初のF1マシンを披露した。
ライトグレーをベースにブラックとレッドのカラーリングを配したVF-16は、ライバルチームの多くがノーズ先端に突起を設けているなか、ハースVF-16のノーズはスタンダードかつなめらかな形状に処理したショートノーズを採用。サイドポンツーンからマシン後部にかけた処理も下側を絞り込むなど空力性能の向上に努めている。
新チームのドライバーは、昨年までロータスで活躍していたトップドライバーのロマン・グロージャンと、2013年から2シーズン、ザウバーでレギュラードライバーを務めたエステバン・グティエレスを起用。メキシコ人ドライバーのグティエレスは昨年、フェラーリのリザーブドライバーを務めている。
チームを率いるのは、以前レッドブルやジャガーでテクニカルディレクターを務めたギュンター・シュタイナーで、チーフデザイナーにはレッドブルでデザインチームを指揮した経験を持つロブ・テイラーが務める。
また、ロータス時代にグロージャンのレースエンジニアを務め、昨年はチーフエンジニアに昇格した日本人エンジニアの小松礼雄氏もグロージャンと同様にアメリカチームへ移籍。レース部門を束ねるチーフエンジニアとして新たなチャレンジをスタートさせる。