メルセデスAMGペトロナスF1チームのエグゼクティブディレクター(テクニカル)のパディ・ロウが、2016年型W07に関し、規則変更が少ないため大きな改善を図るのに非常に苦労したが、それでもチャンピオンマシンW06から進化させることに成功したと述べた。
メルセデスは19日にシルバーストンでPRデーとして新車W07のシェイクダウンを行い、21日にマシンの写真を正式に公開した。
2014年、2015年に連続コンストラクターズ&ドライバーズタイトル獲得と、現在圧倒的強さを誇るメルセデスだが、3連覇を目指し弱点を見つけ出して対策を施したという。
「2015年は大きな成功を収めたシーズンだったので、今年の優先事項は最大の弱点を特定し、改善することだった。2015年にも思うようにいかなかったレースはたくさんある。たとえばシンガポールがそうだ。だからたくさんのことを2016年に向けて改善しなければならなかった」とロウは述べている。
しかし今年はレギュレーションに大きな変更がないため、マシンを進化させるのがかなり難しかったとロウは語った。
「規則がほぼ変わらないと大改革を行うのは難しい。だができる部分で小さな改革をいくつか行うことを目指した。たとえば、完全に新しいパッケージングソリューションやサスペンションコンセプトといったものに目を向けることができる。見た目は昨年型とほとんど変わっていなくても、内側にはミニ改革がたくさん施され、それがひとつの進化につながっている」
「規則が変わらないなかでパフォーマンス向上を果たすのは非常に難しい。だが2015年、同じ状況で行ったマシン開発には非常に満足できた。今年も規則の面から、前年型を踏襲する形になり、そういう状況ではパフォーマンスを見つけ出すのがより困難だ。エンジニアリングチームが一番苦労したのはその部分だったが、それに関して我々チームは極めていい仕事をしたと思っている」
今年プレシーズンテストは昨年の3回から2回に減り、開幕戦との間隔も短い。従ってテスト期間に大きなアップデートを行うことは難しいため、22日から走らせるバージョンは開幕戦仕様に非常に近いものになるとロウは明かした。
「2016年には2回しかテストがなく、テストと開幕戦とが非常に近い。そのためラウンチスペックから開幕戦スペックへのアップグレードの規模を大幅に縮め、開幕戦前に行うアップグレードの数を減らさなければならない」
プレシーズンテストは22日にスタート、スペイン バルセロナで8日間にわたって行われる。