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エリクソン・コア監督が語る『X-ミッション』撮影秘話 コア監督「狂った撮影だったよ」

2016年02月21日 22:31  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)2015 Warner Bros. Ent. (c)Alcon Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

 CGを使用せず、リアルアクションを追求したアクション・サスペンス映画『X-ミッション』が、本日公開された。このたび、本作のメガホンを取ったエリクソン・コア監督によるオフィシャルインタビューが到着した。


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 『X-ミッション』は、1991年に制作されたキアヌ・リーブス主演作『ハート・ブルー』を、『ワイルド・スピード』の撮影監督のエリクソン・コア監督がリメイクしたアクション映画。若きFBI捜査官ユタが、エクストリームスポーツを駆使する謎の犯罪集団に潜入捜査を行う姿を描く。


 世界でトップクラスのプロアスリートたちを、本作のスタントマンとして起用したことについてコア監督は「スタントマンはクルーの一部だった。この作品に関わったエクストリーム・スポーツのアスリートたちは、本作のコラボレーターだったというわけだ。ストーリーテラーであり、大いに貢献してくれたよ。テーマ、台詞、動き、どこでどう撮影するか、といったことはすべてオープンに話し合われ、映画が信憑性、リアリティを維持し、すばらしいドラマ性のある結果を生み出すことができるような結論に導いていった」と、プロアスリートが参加した撮影現場はいままで経験したことのないものだったと振り返った。


 撮影の進め方についてもみんなで意見を出し合ったと語り、「我々の撮影の仕方によって、フィルムのセットが主導し、機材、ミラー、スモークを使ってどう世界観を作っていったら良いか決めていくのが普通だが、本作ではその逆をやった。美しいロケ地に行って、その場所に耳を傾け、目を向け、もっとも忠実な手法で描こうとした。それによって演技に影響を与えたんだ」と、普段とは異なる方法で撮影を行ったことを明かした。


 撮影が困難を極めたというサーフィンのシーンについては、「サーフィンは波が都合よくやってくるわけじゃないし、難点は大波がやってくるのが一度限りという点。いずれのロケ地でも波を様々な角度から撮らなければならなかったので、カメラを9台使用した大所帯の撮影だったよ」と振り返り、「ゆうに12時間超えた。海にぷかぷか浮きながら波を待ったさ。狂った撮影だった」と撮影での苦労話を語った。


 本作を撮影するにあたり11カ国を巡ったというコア監督は、撮影スポットとして日本に興味はないかと聞かれ「ぜひ日本で撮ってみたいね。この作品でも日本で撮影できたらいいのにと思っていたよ。今回は4大陸、11カ国にまたがる撮影だったが、それでも世界のほんの一部しか見ていないことになる。だから日本でも撮影できたらよかったのだけど、とにかく遠すぎるということで、アジアでの撮影は出来ずじまいなんだ」と日本での撮影に意欲を示した。


 コア監督は、本作のテーマに絆や友情があることを明かし「我々は誰もがみんな絆を求めている。だから今作にもキャラクター間の絆、そしてその追求といったことが出てくる。それはボーディとユタの絆もそのひとつだ。2人の間には絆、兄弟愛、仲間意識が存在する。今日我々が生きる世界を今作で描いているわけだが、我々は集団意識を持たなければならない。世界はあまりに小さくなり過ぎ、ある国で誰かがやったことが、地球の反対の国の誰かに影響を与えることになる。その結果、協力してやる必要が生まれるんだ」と、本作に込められたメッセージを明かした。(リアルサウンド編集部)