マクラーレン・ホンダは21日、2016年のF1世界選手権に投入する新車『MP4-31』を正式に発表した。
昨年、ホンダとのパートナーシップを再開した新生“マクラーレン・ホンダ”は、マシン後部を極端に絞り込んだ“サイズゼロ”コンセプトに起因するホンダ製パワーユニットの低い信頼性とパフォーマンス不足に苦しみ、チーム史上最悪のコンストラクターズ選手権9位に終わった。
しかしパートナー2年目となる今シーズンにかけてはクリスマス休暇も返上、引き続きサイズゼロの哲学は継続するもののターボチャージャーとコンプレッサーの効率化を「第一の目標」に新車を開発、常勝復活を目指してきた。
21日、新車MP4-31は公式発表を前に一部メディアから画像がリークされるハプニングもあったが、チームも事前の予告通り正式にMP4-31を発表した。
発表されたMP4-31は、昨年同様に突起型のショートノーズを採用しているが、インダクションポッドは若干丸みを帯びてサイズもダウンしているほか、サイズゼロを反映したリヤ後端の絞り込みも昨年型よりわずかに余裕をもたせている。
またカラーリングもグラファイト・グレーを継承しているが、コクピット脇からノーズ付近まで伸びていた赤のラインは姿を消し、代わりにカーナンバーが大きく描かれている。
チームの命運を握る最新のパワーユニットについて、ホンダF1プロジェクトの新井康久総責任者は「コンプレッサーやその他のハードウェアに変更を加えた」ことを明かし、空力特性の向上を実現したと自信をみせている。
マクラーレン・ホンダは、今シーズンもフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンのふたりのチャンピオン経験者を走らせるとともに、ホンダ傘下でGP2シリーズを戦う日本人ドライバー、松下信治を新たにテスト兼開発ドライバーに起用する。
チームは、新シーズンのスタートとなる22日のバルセロナ合同テスト初日にバトンを起用。フェルナンド・アロンソは2日目と4日目を担当する。