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2017年F1新規定、23日火曜日に決着なるか

2016年02月21日 13:51  AUTOSPORT web

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FIA会長ジャン・トッド、クリスチャン・ホーナー
23日火曜日、2017年からのF1レギュレーションに関して、最終的な案をまとめるための会議が開かれる。

 何カ月にも及ぶ論議の後、本来はジュネーブで行われたストラテジーグループとF1委員会の会合で、来年のルールについて進むべき道が示されるはずだった。ところが、昨年5月に示された、クルマを1周5~6秒速くするという案の具体化は、当初の予想よりもはるかに難問だった。さらには関係者それぞれの利己主義によって大局的見地が失われ、すでに報じられているようにレギュレーション変更が2018年まで保留される可能性もある。

 内情に詳しいある人物は、こう指摘している。「来週火曜日に決まらなければ、もう間に合わないだろう。それぞれが自分の利害を主張するのは結構だが、どんなクルマにしたいのかという狙いに対して、理に適った手段を考えなければならない」

「(ラップタイムを速くするために)ダウンフォースの大きいクルマを作れば、もはやオーバーテイクは見られなくなるだろうし、タイヤを持たせるためにピレリは指定内圧をかなり高くする必要がある。そうなったら、F1にとって良いことは何もないのだから、もっと合理的なアプローチを探さなければならない」

 チームのテクニカルディレクターとFIAのチャーリー・ホワイティングの会合では、いくつかの点で解決策が見出されたが、さらなる問題点も提起された。そして、今月に入ってミラノのピレリ本社でFIA会長ジャン・トッド、F1の首領バーニー・エクレストン、各チームの代表と数名のドライバーも同席した会議が行われた後、2月末までに最終的なレギュレーション案をまとめるとの約束が交わされた。

 レッドブルのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、様々な問題の解決を2018年へ先送りせず、来季から実現するためにこの機を逃してはならないと考えている。彼は先日セバスチャン・ベッテルが述べた、現在のF1は「複雑すぎて」ドライバーのスキルが発揮されにくいという主張にも賛同した。
「彼の言うことは100%正しいと思った」と、ホーナーは言う。
「F1はドライバー同士の戦いという要素を濃くする必要がある。パッケージ全体の中でドライバーの能力がパフォーマンスにもっと大きな影響を及ぼすべきだし、2017年からそれを実現する絶好の機会が訪れている。この方針の意図は明確で、クルマを1周5~6秒速くすれば、ドライバーにとっては乗りこなすのが難しく、プッシュしている時にはより激しいアクションが見られるようになり、実力のある者とない者の差が際立つというものだ。今月末までに、それが実現できるレギュレーション案の合意に至ることを心から願っている」

 このルールが2018年に先送りになる可能性もあるようだが……という英国オートスポーツ記者の示唆に対し、ホーナーは「FIAには現状を変えたいという強い意志がある」と答えた。
「エンジンの件で見られたような、妥協による全員一致に落ち着くのは望ましくない。ここで必要とされているのは、商業権所有者(エクレストン)と管轄団体(FIA)が強い統治力と明確な姿勢を示して、『これがレギュレーションだ』と言ってしまうことだ」