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TOKIOと嵐の共通点は、“仲の良さ”に収まらないグループ愛? 『Mステ』で5年半ぶり共演へ

2016年02月21日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 2月26日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に、TOKIOと嵐が出演する。TOKIOが披露するのは、長瀬智也が主演するドラマ『フラジャイル』(フジテレビ系)の主題歌「fragile」。長瀬がドラマのために書き下ろしたこの曲は、医療現場を舞台にしたドラマのテーマとリンクした、散りゆく桜に命の儚さ重ねたロックナンバー。MVでは、全長13mのプロジェクターに映しだされた桜を背に、メンバーが真剣な表情で演奏を繰り広げる。キャリアを重ねてきた今のTOKIOだからこそ表現できる、重厚感ある仕上がりだ。シングル通算51枚目となるが、まだまだ彼らの進化を感じさせる作品。スタジオではどのようなパフォーマンスが披露されるのか、とても楽しみだ。


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 一方、嵐が披露するのは、NTTドコモ『dヒッツ』のCMソングに起用されている新曲「復活LOVE」。作詞は竹内まりや、作曲・編曲が山下達郎という、メロディアスなラブソングだ。MVには、20年来の同志である生田斗真がサラリーマン役で出演。収録日は、嵐のメンバーとは同じ楽屋で過ごすなど息もピッタリだったようだ。生田の演技力で、歌の世界観に奥行きを持たせつつ、5人がワンカメショーでダンスを魅せる。カメラワークに合わせて、次々と変化するフォーメーションが美しく、いつも以上に大人っぽい嵐が楽しめる。ラストに、大野智の甘い歌声で締める歌詞が聞きどころだ。


 そんな2グループの同番組でのスタジオ共演は、実に5年半ぶりとのこと。その掛け合いを待ちわびているファンも少なくないだろう。というのも、TOKIOと嵐はバラエティでの共演も多く、ジャニーズの先輩後輩の中でも距離が近い印象。同じ5人組のグループということで、ペアになって対談を行なう『TOKIO×嵐 プレミアムトーク』(日本テレビ系)はファンにとっては恒例に。そんな共演実績から、プライベートでの交流もあるようで、先日放送された『TOKIOカケル』(フジテレビ系)では、松岡昌宏がカラオケで必ず歌うジャニーズの曲として、嵐の「PIKA★NCHI」と「Monster」を挙げ、さらに嵐のメンバーと飲んだときには、この2曲を5人に歌うようにお願いするというエピソードも披露。「特に、大野にはめちゃくちゃ歌わせる。絶対歌って!!って」と、リクエストしていることも明かした。


 ヤンチャでワイルドなTOKIO。真面目で爽やかな嵐。2グループのカラーは異なるが、老若男女から愛されるという意味では、共通している魅力があるように思う。それは、グループとしての結束力だ。「嵐は仲がいい」という話は、あまりにも有名で、コンサートのMCや雑誌のコメントなど、過去に語られた仲良しエピソードは数知れず。誕生日にプレゼントを交換したり、旅先で全員分のおみやげを買う習慣があったり、ステージ上でのスキンシップも多めだ。


 だが、最近では二宮和也がラジオで「休みの日はメンバーを誘わない」と発言したり、櫻井翔が「メンバーからの電話は、一度留守電になってから確認してかけ直す」など、5人がそれぞれ仲がいいと言われていることに対して、そんなにベタベタしていないというスタンスを見せるようになった。それは、彼らにとってメンバーを新たに知る一面がないほど、すでに関係性が構築された証なのだろう。仲がいいのは当然のこと。だからこそ何が見せられるのかということが大切なのだと考えているのではないだろうか。一人ひとりのキャラクターをしっかり把握した上で、自分たちが表現できることを日々模索しているからこそ、5人のからみは飽きずに見守ることができる。


 また、TOKIOはリーダーこと城島茂と山口達也がジャニーズJr.時代に、楽屋でギターとベースのセッションを楽しんでいたことからTOKIOの原型が生まれた。アイドルグループとしての繋がり以前に、バンド仲間としての絆があるのだ。『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)では、力を合わせて村や島を開拓し、ときに涙を流してお互いの存在に感謝をする。そんなアツい男の友情に胸を打たれ、アイドルでは異例ともいえるほど男性ファンが多いことも彼らならではだろう。バンドという誰一人欠けても音楽が成立しないチームワークが基盤となっているTOKIO。それぞれのポジションを理解して助け合うこと、全員で何か一つのものを作り上げることは、彼らにとってまた当然のことであるという認識なのではないか。そんな男臭いイメージがあるにも関わらず、松岡は部屋にメンバーの写真を飾っているという、かわいらしい一面もあるのが愛しい。


 “仲の良さ”という言葉では、彼らの魅力を語るには収まらないプロの意識を感じる。仲がいいからこそ慣れ合わずに、仕事を全うするのも難しいことだ。バラエティのトークにしても、ただの仲良しグループではトークも内輪受けになってしまいかねない。だが、TOKIOと嵐のトークが面白いのは、ぶっちゃけた中にも相手の良さを再認識できるような愛が込められているからだろう。


 また、音楽の面でも、TOKIOはメンバーが作詞作曲した曲を演奏し、嵐は息の揃ったパフォーマンスを行うといったように、それぞれのポジションを全うしているという信頼関係がある。バンドでいう各自が演奏する楽器が異なるように、一人ひとりの持ち味がしっかりと確立された上で、お互いの魅力を引き出し合うグループ。それがTOKIOと嵐の共通点なのではないだろうか。


 そんな2グループのライブが楽しめる今回の共演。グループ愛がおりなすトークとパフォーマンスが楽しみだ。(佐藤結衣)