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ニッサン同門対決? 大阪オートメッセで千代勝正が松田次生に挑戦状

2016年02月19日 13:11  AUTOSPORT web

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大阪オートメッセのニッサンブースで行われたトークショーに登壇した松田次生と千代勝正
2月12日から14日までインテックス大阪で開催されていた「大阪オートメッセ2016」の日産ブースで松田次生と千代勝正のトークショーが実施された。

“GT-R チャンピオントークショー”と題して行われた今回のトークショー。スーパーGTで2年連続GT500クラスを制した松田次生と、昨年はブランパン耐久シリーズでチャンピオンを獲得し、GT300クラスでGAINERのチームタイトル獲得に貢献するなど活躍した千代勝正が、“とにかくGT-Rが強かった”15年シーズンを振り返った。

 シリーズ終盤2戦に大逆転劇を演じ、2年連続のタイトルを手にした次生は「2014年はGT-Rが有利という手応えがありましたが、昨年はライバルたちもどんどん開発を進めてきていて大変でした。それでも第1戦(岡山)はトラブルがありつつも手応えを感じ、第2戦(富士)では圧勝できました。今年も行けそうだなと安易な考えを持っていたら、中盤戦は苦戦。最終戦でやっとチャンピオンが取れたという感じです」と、改めて激闘を振り返った。

 特にシリーズ終盤は次生/ロニー・クインタレッリ組のMOTUL AUTECH GT-Rと安田裕信/J-P.デ・オリベイラ組のカルソニックIMPUL GT-Rによるチャンピオン争いが白熱。これをGT300クラスという立場で見ていた千代も「特に僕が乗る後半はデッドヒートになることが多くて、(GT500クラスに交わされる)僕たちも大変でしたし、ものすごく気を使いました」と混走で抜かれる際の苦労を明かした。

「最終戦もてぎではハーフウエットで、乾いているラインが1本しかない状態。ラインを譲ると濡れているところを走らなければなりませんから、乾いているところを走りたいけど、そうするとGT500クラスのマシンが濡れているところを走ることになってしまうとか、いろいろと考えていました」

 その千代は昨年、年初のバサースト12時間耐久レースで総合優勝を果たすと、ブランパン耐久シリーズではシリーズタイトルを獲得。さらにGT300クラスではチームタイトル獲得に貢献した。自身にとっても飛躍の1年だった15年シーズンを「忙しい1年でした。GT3勢の中でGT-Rが海外の強豪メーカーに対して力強いレースができたので、本当にGT-Rが強かった1年でした。もう一度、2015年シーズンをやり直してもいいかな、と思ってしまうほど良い年だったと思います」と振り返った。


 そして、2人がドライブする“GT-RニスモGT500”と“GT-RニスモGT3”の違いについての話題になると、集まった来場者にも分かりやすいように2人が解説。次生は「GT500クラスはDTM(ドイツツーリングカー選手権)と統一されたシャシーで、イチから専用設計されたレーシングカー。にもかかわらず、市販車とあまり変わらない2リッター直列4気筒ターボエンジンを積んでいることも特徴です」と説明すると、千代は「GT500マシンは市販車とは全くかけ離れたものになっていますが、逆にGT3はシャシー、エンジンは市販車と一緒なので市販されているGT-Rに近いです。また、GT500マシンとは重量も違うので、乗り方も変わってくると思います。あとGT3はABSやトラクションコントロールが搭載されているので雨の日も安心です」と、体験談を元に語った。

 ちなみに、GT500クラスでは圧倒的な速さと強さを誇る次生だが、意外にもGT3のドライブは未経験。「GT3は乗ったことないんですよね」というコメントに、千代は「じゃあGT3で松田さんと勝負したら勝てるかも!」と得意げに反応。これには松田も「やってみるか!」と応じるなど、シーズン中ではあまり見られない和やかな雰囲気に会場も盛り上がった。

 ニッサン勢の体制発表は2月28日に行われる予定。まだ現時点では2人ともどういった体制になるのかは分からないが、年末年始にかけて千代のGT500クラスステップアップが濃厚だという噂が飛び交っていた。GT3でのバトルは残念ながら実現しない可能性が濃厚だが、2人が同じクラスでバトルを繰り広げるシーンを、もしかしたら今年は観られるかもしれない。

(Tomohiro Yoshita)