ファンの声援を浴びながらシェイクダウンしたグッドスマイル 初音ミク AMG 2月19日、筑波サーキットで開催されているGOODSMILE RACING & Team UKYOのファン向けイベント『初音ミクGTプロジェクト ファン感謝デー』の中で、今季スーパーGT300クラスに参戦するグッドスマイル 初音ミク AMGがシェイクダウンを行った。
2014年に谷口信輝/片岡龍也組でチャンピオンを獲得し、昨年からメルセデスベンツにマシンをスイッチしたGOODSMILE RACING & Team UKYOは、2016年シーズンに向けて昨年12月23日に早々に谷口/片岡組の継続と、16年デリバリーのニューマシン、メルセデスベンツAMG GT3へのスイッチを発表していた。
その後、本来であれば2月7日に開催されたワンダーフェスティバル[冬]で実車にカラーリングを施した上で、19日のファン感謝デーでシェイクダウンの予定だったが、他のメルセデス使用チームと同じくドイツからの輸送が遅れ、ワンフェスでのカラー公開は間に合わず。とは言え、14日には幕張で改めてカラーを公開し、19日のシェイクダウンに間に合わせていた。
この日は朝9時からのイベントのオープニングでメルセデスAMG GT3のエンジンを始動し、初音ミクGTプロジェクトの歴代マシンたちとともにイベント開幕を飾る予定だったが、なんとエンジンがかからない。イグニッションが動いている音はするのだが、いくら押してもエンジンは始動せず、なんとオープニングでは走行できずピット裏に運ばれることになってしまった。
しかもこの際、この日のイベントのもうひとつの目玉であった同乗走行用の2011年チャンピオンマシンのBMW Z4 GT3もエンジンがかからず。チームに愛を送り続けるファンは笑顔で成りゆきを見守っていたが、チームには緊張が走った。
ピット裏に運ばれたメルセデスベンツAMG GT3だが、当初電圧が低いと思われ、市販車のようにジャンプスタートが試みられたが、やはりエンジンはかからず。スタッフが懸命にトライを繰り返し、10時25分にようやくエンジンが始動し野太いエキゾーストノートが響き渡ると、周囲で見守っていたファンからは大きな拍手が上がった。
当初の予定から変更され、11時35分から行われたシェイクダウンは、谷口がステアリングを握った。安藝貴範チーム代表によるカウントダウンでエンジンが始動すると、軽やかにコースイン。少しずつ回転数を上げながら、5周をこなし無事にピットに戻った。
マシンを降りた谷口は「おもしろかった! 安藝さんありがとう!」と開口一番にコメント。「すごくダウンフォースがあるね。無理はしていないけど、すごく手応えがある」と笑顔で語っていた。
今回エンジンが始動しなかったことについて河野高男エンジニアに聞くと、「カブリ」だという。「実はゲイナーさんもそうだし、他のチームもシェイクダウンの時に始動に苦労していたんです。何かあるんだと思う」という。
「昨日までは普通にかかっていたのに、今朝になったらかからなくなった。外気温が変化した状態でのマップ補正の問題かもしれないです。でも、まずはシェイクダウンできて良かった」
世界中のモータースポーツで使用されているGT3カーは、その地域の気温や湿度の違いでトラブルが起きたりするケースも多いが、今回の一件もそれに当てはまるのかもしれない。とは言え、谷口は初走行ながら大いに手応えを感じた様子。グッドスマイル 初音ミク AMGの走行は午後も行われる予定だ。