先週末に行われた世界ラリー選手権(WRC)第2戦スウェーデンは雪不足により安全面で懸念も生じたが、WRCプロモーターは同イベントの継続を強く望んでいるほか、フルスノーイベントの追加開催も検討している。
先週末に行われたラリー・スウェーデンでは、記録的な暖冬により気温が上昇。路面の氷と雪が溶けてしまい、結果的には大きなアクシデントもなく終了したものの、一時はドライバーたちがボイコットを検討するほどだった。
大会終了後、2019年まで開催契約が延長されたラリー・スウェーデンは近年、ストックホルムの西に位置するカールスタードを拠点としているが、ステージのほとんどは標高の高いノルウェーとの国境付近で実施されている。
WRCチャンピオンのセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)は「さらに北へ移動するべき時が来た」とコメントしているが、WRCプロモーターのオリビエ・シエスラは「そのような判断を下すのは時期尚早だ」と反論している。
「FIAと現地プロモーターと、将来について話し合う必要がある。我々は安全にフルスノーイベントを開催したいと考えているし、財政面でもその要望は強い。もちろん、天候を運任せにしている状況には不満だ。だが、それ以外には満足している」
「我々はウインターラリーを愛しているし、ノルウェーとスウェーデンも素晴らしい場所だ。プロモーターという立場からしても、ラリー・スウェーデンは素晴らしい市場に成長している。メディアとテレビの扱いにも満足しているし、宣伝効果も極めて高い」
さらにシエスラは「カナダかロシア、日本で第2のフルスノーイベント開催の可能性を検討している」とつけ加え、ウインターラリーを増やす可能性を示唆した。
一方、オジエは「スウェディッシュ・ラリーは歴史がある象徴的なイベントだ。ただ、僕たちはベストなコンディションで戦いたい」と述べている。
「温暖化の影響により、年々その要望を満たすことは困難になりつつあるけどね」