2016年02月19日 11:21 リアルサウンド
4月2日にWOWOWプライムにて『ドラマW この街の命に』が放送されることが決定し、キャストとして加瀬亮、戸田恵梨香、田中裕子らが発表された。
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本作は、『独立少年合唱団』『いつか読書する日』の脚本を手がけた青木研次と、監督を務めた緒方明が再タッグを組み、“犬猫の殺処分”に直面する行政獣医たちの葛藤と再生を描く人間ドラマ。
動物愛護センターに行政獣医として配属された牧田洋は、捨てられた犬や猫を殺処分する業務を遂行していた。病院に通い精神安定剤が手放せない行政獣医・幡枝亜紀をはじめ、同僚たちは誰もが心にふたをしながら処分を続ける。そんなある日、獣医・高野綾子がセンターの新所長として配属される。高野は着任早々、現状を変えようと様々な試みを提案しながら、牧田たちとともに殺処分を減らそうとするが、無責任な飼い主はいなくならず、職員たちは大きな選択を迫られる……。
ドラマW初主演となる加瀬亮が、行政獣医の牧田洋役を演じ、戸田恵梨香が牧田の同僚の行政獣医・幡枝亜紀役を演じる。加瀬と戸田は、『SPEC』シリーズ以来の再共演となる。そのほか、センターの改善に向けて動く新任所長・高野綾子役の田中裕子をはじめ、渋川清彦、黒田大輔、岡山天音、諏訪太朗、篠原篤、柳英里紗、高橋長英、島かおり、きたろう、熊谷真実らが出演する。
なお、放送日の4月2日13時から、「『ドラマW この街の命に』放送記念! 俳優 加瀬亮」と題した特集が組まれ、加瀬主演の『それでもボクはやってない』『劇場版 SPEC~天~』『劇場版 SPEC~結~ 漸ノ篇』『劇場版 SPEC~結~ 爻ノ篇』が放送される。
■加瀬亮(牧田洋役) コメント
【脚本を読んだ時の感想をお願いします】
丁寧に書かれていて、淡々とした静かな話だと思いました。結論をいそがずに、声高に何かを叫んでいないところも好きでした。
【撮影を終えられての感想をお願いします】
共演者たちが皆愉快で素晴しく、とても充実した撮影でした。人と動物などの問題は、業を含む難しい題材ですが、今回、このような機会をいただいて、自分にとって様々な角度からそれらについて考える良い時間となりました。
【『SPEC』シリーズ以来となる戸田恵梨香さんとの共演はいかがでしたか?】
戸田さんのマネージャーさんと自分のマネージャーが、再度の共演なので現場でモニターをみながら「敬語で戸田と加瀬が話してること自体もの凄い違和感だね」などと、『SPEC』の時との違いを笑っているのを目撃しました(笑)。『SPEC』のときとは全く違う関係の役でしたが、自分自身は戸惑いは全くありませんでした。 戸田さんは、とても信頼している役者さんで、いつでも刺激と安心を撮影に与えてくれる人だと思います。今回は現場で戸田さん一人がズバ抜けて犬との接し方に長けていることにびっくりしました。
■戸田恵梨香(幡枝亜紀役) コメント
【脚本を読んだ時の感想をお願いします】
私自身子供の頃から犬と生活をしてきて、たくさんの思いをそれらに抱いていました。この台本を読んだ時には戸惑いましたが、一人でも多くの人に事実を知ってもらうべき題材だと思いましたし、やらせて頂けて良かったと思っています。
【『SPEC』シリーズ以来となる加瀬さんとの共演はいかがでしたか?】
殴り合いがないのが淋しかったです(笑)。髪の毛も伸びていますし、スーツじゃないし、表情も柔らかですし、なんだか妙に恥ずかしかったのを覚えています。
【視聴者の皆さまへメッセージをお願いします】
ドラマでは描ききれない事実があります。この作品をきっかけに犬猫に興味がない方達にも今日本では何が起こっているのかそんな事に興味を持ってもらえたら幸いです。
■緒方明監督 コメント
【本作を監督する上で意識したこと、こだわったこと等を教えてください】
お話を頂いて資料を読んだり愛護センターの方たちの取材を進めていくうちに「これはとんでもなく難しい問題だ」と思いました。殺処分ゼロを目指すことがそんなにたやすいことではないこと、日本のペット産業の問題点、犬や猫たちの生態系。さらに調べていくうちに「人間とペットとの関係」を飛び越えて「人と動物の命とは」というもはや解答を出すことの難しい命題にまでたどりつきました。 その中で今日もどこかで悩みながら苦しみながら処分を続けている愛護センターの方たちの存在。青木研次さんの脚本は心に矛盾を抱えた人間たちがウロウロ、オロオロする群像劇でした。そこにはヒーローもヒロインもいません。安易なヒューマニズムもカタルシスもありません。教条的になることなく「犬と人間の関係」を探っていくちょっと不思議なドラマが作れたと思っています。 演出するにあたっては「とにかく犬に振り回されてみよう」と決めました。「動物と子供にはかなわない」とよく言われます。犬や猫は自由です。わたしたちの思惑を軽く超えて生きています。当然現場ではそう簡単に言うことを聞いてくれません。そんな動物たちをフィクションの枠の中に閉じ込めてこちらの希望通りに動かすのではなく出来るだけ「犬と猫がいる空間と時間」に寄り添って撮ることを心がけました。当然時間はかかります。しかしCGを利用してこちらの希望通り動物たちを動かすのではなく、犬猫の動きに振り回されながら撮影を進めていきました。スタッフ、キャストは辛抱強く犬猫たちを見つめ、ふれあい、 待ち続けてくれました。感謝です。
【撮影を終えての感想を教えてください】
作品の中に登場する愛護センターの職員はすべて公務員です。しかし私たちが「公務員」という言葉から連想する人々とはかなりかけ離れた日常を過ごしている人々です。もともと動物が好きでこの仕事についたはずなのに動物を処分しなければならないという矛盾。悲しみ、怒り、あきらめ、切なさ、やりきれなさ、開き直り、などなど複雑な感情を体にしまいこんで日々を営む人々の物語です。ですので俳優に演出するにあたっては単純な喜怒哀楽を演技で表現することをさけ複雑な感情の機微をそれぞれの俳優に要求しました。すばらしい俳優たちはこの難しい注文に見事に答えてくれました。監督冥利に尽きます。
(リアルサウンド編集部)