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ジャニーズWEST 桐山照史は“名脇役”? 『あさが来た』で見えた天性の演技力とは

2016年02月19日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 2015年9月末の放送開始以来、平均視聴率が20%超を維持しているNHK連続テレビ小説『あさが来た』。最高視聴率も27.2%と『あまちゃん』さえ超えた本作で、ヒロイン・あさ(波瑠)が嫁いだ両替屋・加野屋の三男・白岡榮三郎を演じているのが、ジャニーズWESTの桐山照史だ。


 リアルサウンドでは、同9月の記事【ジャニーズWEST、桐山照史NHK朝ドラ出演でブレイク近し? 他メンバーの大阪マラソン出場も】で桐山の俳優としてのポテンシャルについて触れた。そして約半年のオンエアを重ねた現在ではストーリーも熟し、彼ならではの個性も見えてきたタイミングと言える。本稿では、前記事を執筆した芸能ライター・佐藤結衣氏に話を聞き、彼の演技力について更に掘り下げていきたい。まず演技の背景にある、桐山自身のキャラクターとはどのようなものか。


「本人も『(ジャニーズWESTの中で)自分は脇役で良い』と公言しているように、人を引き立てるのが上手なタイプ。また頭の回転が良く、現場の空気を読んで立ち振る舞いを変えられるところも他のジャニーズにないスキルです。頭が良いと言えば、2014年からバラエティ番組『ザ少年倶楽部』(NHK BSプレミアム)のMCにも抜擢されるなどしてトーク力もお墨付き。先日『あさが来た』の告知でV6・井ノ原快彦さんの『あさイチ』(NHK)に出演した時もセンスを発揮し、視聴者の評判も上々でした」


 その親しみやすさ、人望など、一晩では手に入れられないような素質を多く備えている桐山。それらは演技にどう活きているのだろうか。
 
「俳優としては、主演よりも助演に最適なキャラクターかもしれません。本来持っている親しみやすい雰囲気と、どこか身近にいそうな顔立ちが相まって、多様な役柄にもスッと溶け込んでいくことができるように思えます。また、中性的な男性の多い現代では珍しいほどの、男らしさも備えています。体つきも筋肉質で、物事をはっきりと言うような潔さも、野心もある。その点が、主婦や高齢者をメインターゲットとする朝ドラには特に受け入れられやすいのではないでしょうか」


 白岡榮三郎というポジションが今の桐山にとって最適だったからこそ、ドラマファンからも好感の声が上がっているようだ。俳優としては本作で1ステップ上がったように感じられるが、今後、桐山自身のキャリアはどのように形成されていくだろうか。


「まず、俳優としての開花が近づいてきている時だと感じられます。『あさが来た』の演技で分かったのは、桐山さんが味のある二枚目や三枚目の似合う役者だということ。デビューまでの道程が長く苦労してきたことの糧が、いまの演技に活きているのではないでしょうか。今後は、すぐに主役に昇格するよりも、脇でピリリと効かせるキーマン、というポジションでキャリアを積むのでは。ジャニーズの場合、ひとたび主演を務めると以後の作品でも主演を張りつづけるのが慣例となっていますが、桐山さんはその例外で、助演が極められる俳優になるかもしれません。今回でNHKとの関係も良好だと思うので、いつか大河ドラマにも出演してくれたら嬉しいですね」


 俳優としてはまだキャリアも浅く発展途上にある桐山だが、その人間性の豊かさにより、『あさが来た』を通してドラマファンにもその演技力、存在感が認められるようになっている。今後、俳優としての活動もより充実していくに違いない。(遠藤良美)