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ナンニ・モレッティの自叙伝的映画『母よ、』に、原田眞人ら映画監督が賞賛コメント

2016年02月18日 23:51  リアルサウンド

リアルサウンド

(c) Sacher Film . Fandango . Le Pacte . ARTE France Cinéma 2015

 イタリア映画界の巨匠ナンニ・モレッティ監督最新作『母よ、』に、映画監督の原田眞人、河瀬直美、山田あかねが賞賛のコメントを寄せた。


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 『母よ、』は、仕事と家庭に悩みを抱えながら働く主人公を通して“家族のありかた”を問うヒューマンドラマ。母親の介護や仕事に悩みを抱える映画監督のマルゲリータは、とある日、病院から母親の余命宣告を受けてしまう。何の助けにもなれない自分を嘆き、母が研究や仕事に捧げた年月が死によって無になると悲しむマルゲリータに、母はある“贈りもの”を遺してくれていたー。


 本作は、働く女性映画監督を主人公にしたナンニ・モレッティの自叙伝的映画。『ローマ法王の休日』撮影中に母親を亡くした自身の経験が反映されている。2015年カンヌ映画祭コンペディション部門エキュメニカル審査員を受賞したほか、フランスの権威ある映画批評誌カイエ・デュ・シネマが発表した2015年ベスト映画の第1位に選ばれた。


■原田眞人(映画監督)


『母よ、』はナンニ・モレッティのわが母の記だ。しかし、主役で ある映画監督の役をマルゲリータ・ブイに譲り、自分はその脇にいる兄を演ずることで作品には繊細な客観性が芽生え、家族の香華が心地よく漂う。マルゲリータは「役の隣にいる自分」のモレッティをしっかりと見て、映画史に残る最高の女性監督を生み出している。兄と妹、モレッティとマルゲリータ、分身の芸術表現をまた一歩広げた見事な「映画作家の家族映画」。


■河瀬直美(映画監督)


人として、女として、母として、そして娘として、すべてにひたむきに生きる「彼女」の物語。


■山田あかね(映画監督・作家)


女性監督の痛みは世界共と苦笑いした。撮影現場での軋轢、主演男優の横暴、女の子扱いされる理不尽。恋人には自分勝手と責められる。救いは元教師の母の立派な死に際。女を導いてくれるのはやっぱり女の先輩とまた苦笑。(リアルサウンド編集部)