トップへ

アンデコレイテッド マンはなぜデザイナーを交代したのか?

2016年02月18日 23:12  Fashionsnap.com

Fashionsnap.com

久保嘉男と河野貴之 Image by: Fashionsnap.com
「アンデコレイテッド マン(undecorated MAN)」が、ブランドを刷新した。「ヨシオ クボ(yoshio kubo)」の久保嘉男が手がけていたが、2016-17年秋冬コレクションから新デザイナーに30歳の河野貴之を抜擢し、ブランドコンセプトもリニューアル。両ブランドを運営するgroundfloorの代表でもある久保嘉男は、なぜ若きデザイナーにブランドを託すことを決めたのか。

アンデコレイテッド マンがリニューアルの画像を拡大

 アンデコレイテッド マンは、久保嘉男が2008年に3型のアイテムからスタートさせたメンズブランドで、切り替えを多用したデザインが特徴だった。2016-17年秋冬コレクションからは、「飾らない」シーンにフォーカスしたアイテムを展開。コンセプトに加え、ブランドロゴも刷新した。ブランドは、Tシャツやパッカブルシャツ、スウェットといった定番アイテムが揃う「WHITE LABEL」とシーズンごとに素材やディティールに着目した「BLACK LABEL」の2レーベルで構成され、素材は全てオリジナルで製作。素材ありきの服作りを特徴としており、タスマニア産のウールとカシミヤを使用したダブルフェイスメルトンのコートは切り替え線を少なくすることで、滑らかなドレープを表現した。
 デザイナー交代の理由について久保嘉男は、新しさと若手育成への思いが強かったという。「国内ブランドがデザイナーを交代すること自体が珍しく新しいことだと考えていて、僕のブランドでできれば面白いと思っていました。そして若い世代が活躍できる場を僕の会社で作ることができればそれも面白い。自分のブランドが次世代にどうやって引き継がれていくのか楽しみにしています」と同氏に期待。最終確認以外の全てを河野貴之に任せているという。
 久保嘉男の元で一から服作りを学び、3年前からアンデコレイテッド マンの企画をメインで行っていた河野貴之は「製作プロセスに大きな変化はないですが、精神的な変化はありました」とブランドを引き継ぐことに対するプレッシャーを感じているという。自身のデザインについては「素材を生かした機能的でデザインに意味を持たせた服を作っていきたいと思っています。カシミヤ100%だからいいということではなく、切り替え線を集約するなど素材の良さを100%発揮させる服作りを目指します」とコメント。今年の秋頃には自社ECサイトを立ち上げる予定で、今後は服だけではなくライフスタイル商品の展開も計画しているという。