世界ラリー選手権(WRC)第2戦スウェーデンで最上位クラスデビューを果たしたクレイグ・ブリーン(シトロエンDS3 WRC)は、DS3 WRCでのドライブを満喫できたと語ったほか、チーム代表のイブ・マトン、チームメイトのクリス・ミークから高評価を得ている。
長年、プジョー・スポールのワークスドライバーとしてヨーロッパラリー選手権(ERC)に参戦し、今年からWRCトップクラスにステップアップを果たしたブリーン。事前テストでワークススペックのDS3 WRCを50マイル(約80キロ)ほどテストしているが、実戦での走行はラリー・スウェーデンが初めて。ブリーンはSS7でステージ3位のタイムを記録する好走をみせ、最終的には総合8位を獲得する活躍をみせた。
「(DS3 WRCは)本当に素晴らしい、真のラリーカーと呼べるマシンだった。チームもマシンについて知り尽くしているから、どのセッティングがベストなのかも分かっているんだ」とブリーン。
「マシンに対して、これほどの信頼感を感じたのは久しぶりだった。リラックスしながら臨むことができて、自分のポテンシャルにも気づくことができた。今回は70%から80%、多くても90%程度の力しか発揮していないよ」
ブリーンは今回で3度目のラリー・スウェーデン参戦だが、自身のペースに驚いたともコメントしている。
「スプリットタイムでファステストを記録したし、ステージ3番手タイムも記録した。僕の予想していた以上の結果だよ」
「ライバルと比べて、1キロごとに2~3秒は失うと思っていた。だから、1キロあたり0.8秒~0.9秒以内のギャップに抑えることができたことに驚いているんだ」
チームメイトのミークは「ブリーンは本当にいい働きをした」と新人の走りを評価している。
「初めてラリー・スウェーデンに出場した時、僕もブリーンと同様に、ヘニング(・ソルベルグ)と順位争いをしたんだ」
「彼はうまくラリーを戦った。特にステージ3位を獲得したSS7ではね」
また、チーム代表のマトンも「私が期待していたアベレージスピードで、ブリーンは戦い抜いた。スプリットタイムやステージタイムでも興味深い結果をみせてくれている」とブリーンを高く評価。シーズン残りの活躍に期待を寄せていると述べている。
「もちろん、ブリーンはいくつかミスもしている。しかし、この難しいラリーでは、どのドライバーをミスをするものだ。ブリーンがDS3 WRCでラリーを戦うのが初めてだということを考慮すると、彼は素晴らしい仕事をしたと思うし、私も満足している」
なお、PHスポールは第3戦メキシコと第4戦アルゼンチンへの参加を見送るため、次回ブリーンが出場する可能性があるのは5月の第5戦ポルトガルだ。
マトンは「我々のプログラムを秘密にするつもりはない」とつけ加えた。
「次に出場するイベントについてはアナウンスする。ただ、その2戦(メキシコとアルゼンチン)はスキップすることになるだろうね」
「以前にも述べたように、ラリー・チャイナを除く、ヨーロッパ圏外イベントには出場しない予定でいる」