トロロッソが、今季はフェラーリの2015年最終仕様のパワーユニットを使うことを明らかにした。
2013年末まで、トロロッソは7年間にわたってフェラーリからエンジンの供給を受けていたが、新しい1.6リッターV6ターボ時代の到来を迎えてルノーと手を結んだ。ところが、ルノーの信頼性不足に悩まされながら2シーズンをすごした後、トロロッソはフェラーリと復縁することを選び、昨年のかなり遅い時期に2015年仕様のエンジンの供給を受ける契約を交わしている。
チームプリンシパルのフランツ・トストは、バルセロナで来週月曜日から始まるテストでデビューする新車のSTR11が、フェラーリの2015年型最終仕様のエンジンを積んでいることを明かした。
「フェラーリから素晴らしいエンジンが供給されると確信している。フェラーリと仕事ができてうれしいし、チームとして過去最大の成功もフェラーリと共に成し遂げた」と、トストは述べた。彼が言うように、2008年にコンストラクターズ選手権6位というチーム史上最上位を記録した時、トロロッソはフェラーリのエンジンを使っていた。
「エンジンは昨年の終了時点のモデルであり、我々にとって大きな前進になると、私は楽観的に考えている。(新車の準備が)例年よりもあらゆる面で大変だったのは確かだが、それは単に与えられた時間がひどく短かったためだ。トロロッソとフェラーリのエンジニアたちは、それでも何とかクルマをまとめあげようと全力で仕事をしてくれた」
「私はそうして完成したこのクルマが気に入っている。年を追うごとにクルマは複雑で高度になってくるが、それがF1というものだ」
トストが言及したように時間に余裕がなかったことから、トロロッソが2016年の正式なカラーリングを公開するのは2月29日になる。つまり、第2回のテストが始まる前日だ。
「あらゆることが押していたし、いかにも間に合わせのようなカラーリングにはしたくなかったので、クルマの正式発表は29日にバルセロナで行うことにした」と、トストは語っている。
「正式発表を遅らせたのは、テストまでの作業のスケジュールが極端にタイトになったからだ。それ以外の理由はない」
「今年の体制(フェラーリへのスイッチ)の決定が遅くなって、あらゆる面でやや出遅れた形になった。だが、チームのみんなが素晴らしい仕事をしてくれて、クルマはもうほとんど完成している。正確にスケジュールどおりに進行してきたから、バルセロナでの最初のテストについては何の心配もない」
月曜日にコースを走るのは、カーボンファイバーの地がむき出しの黒いクルマになるのかという問いに、トストは「ブルーのクルマだ」と答え、さらに「黒いクルマは葬式に行くみたいで嫌だね。葬式には行きたくない」と冗談も付け加えた。
トストは、厳しい条件の中で何とか作り上げたこの新車に満足しているという。「F1では誰も逃れられない問題が2つある。時間が足りないことと、金が足りないことだ」