ルノー・スポールF1が、ワークスチームとして成功を収めるため、ライバルチームから優秀なスタッフを多数引き抜くことを計画していることが明らかになった。
ルノーはロータスF1チームを買い戻す形で、2016年から再びF1にワークスチームとして参戦する。しかしロータスは近年多額の赤字に苦しみ、人員削減を行ってきたため、スタッフの数が足りない状況だ。
12月にワークス参戦を正式に発表して以来、スタッフはどの程度増えたかという問いに対し、ルノー・スポール・レーシングのマネジングディレクター、シリル・アビテブールは「今のところほとんど増えていない」と答えた。
「優秀な人材をしっかり確保したいと考えている。しかし優秀な人材は普通はすぐには動けない。(情報漏れを防ぐため所属チームから)“ガーデニング休暇”を取らされるので、6カ月、あるいは1年待たなければならないのだ」
「今、エンストン(シャシー部門のファクトリー)には490人のスタッフがいる。これを2017年末までに650人に増やす計画だ」
「ビッグチームは800人のスタッフを抱えている。我々はエンストンのスタッフを650人に増やし、メルセデスやレッドブルと戦うつもりだ」
「ビリー(エンジン部門のファクトリー)とエンストンで多数の活動を共有する形でこれを成し遂げる」
「他より人数は少ないが、それでもライバルチームと戦えるはずだ」
ルノーがパワーユニットサプライヤーとしてだけでなく、ワークスチームとしてF1に参戦することを決めたことで、優秀な人材を獲得しやすくなるはずだと、アビテブールは述べた。
「ライバルから人材を引き抜くためには、説得力のある裏付けが必要だ。大きな動きがあり、今はルノー、今後の計画、マネジメント、財源、パートナー、長期的見通しといったことについて話すことができる」
「我々にはプランがある。それによって才能ある人材を集めることができれば嬉しいね」
ルノーのエンジン部門もリソースが足りないと、カスタマーチームのレッドブルは述べているものの、アビテブールはこれを否定している。
「正直な話、ビリーには十分すぎるほどのリソースがあると思う。レッドブルなど外部の人間が、我々には十分なリソースがないという見解を述べている。だが我々には財源も人材も十分にそろっている。技術的なリーダーシップ、ノウハウ、スキルといったものが備わっているのだ」
「(1.6リッターV6ターボエンジンの)新規則導入に伴い、ビリーは大勢のスタッフを雇い入れる必要があった。新たに大学出たての若いスタッフを雇う場合、教育しなければならないという問題がある。しかし今は彼らも経験を積み、仕事に慣れ、この新しいプロジェクトに対して高いモチベーションを持っている。今後必要な仕事を十二分にこなしてくれるはずだ」