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トレンチコートの新定番に? 三陽商会「100年コート」が暖冬でも年間売上倍増

2016年02月15日 19:42  Fashionsnap.com

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100年コート Image by: Fashionsnap.com
三陽商会の「100年コート」が支持を広げている。販売着数は、発売初年度と比較して2年で約5倍に拡大。購買層はメインの30代~50代だけではなく、20代の若年層や70代の高齢層など、幅広い世代から受け入れられているのも特徴だ。

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 「100年コート」は、三陽商会の設立70周年を機に製品化され、2013年秋から販売を開始。コートブランドのパイオニアならではのノウハウを集結し、"変わらぬ価値"や"時に流されないものづくり"をベースに、青山県内の自社工場「サンヨーソーイング」で製造されている。当初は、トレンチタイプをメンズ・ウィメンズ1型ずつ展開していたが、2014年にはバルマカーンタイプを開発。2015年には着丈のバリエーションを増やし、計7型に拡充した。取扱い店舗は半数以上が百貨店でのポップアップストアに限られているが、売上は、2014年度が前年比で約3倍、翌2015年度が記録的暖冬で重衣料の動きが鈍かったにも関わらず対前年(2014年度)の2倍で推移している。
 支持を拡大させている理由の一つが、購入者がメンテナンスやアフターケアを相談できる「100年オーナープラン」。"世代を超え永く愛用されるコート"となるため始動した会員システムで、アフターケアを充実させるだけではなく、オーナー(購入者)の意見を吸い上げて製品等に反映させると共に、オーナーにとって有用となる情報を継続的に発信している。100年コートの価格帯は7万3,000円~8万9,000円(税抜)と安くはないが、製品に加えて同プランのコンセプトを支持する購入者も多いという。人気のモデルは、メンズがトレンチタイプとバルマカーンタイプのレギュラー丈で、ウィメンズはトレンチタイプのロング丈。
 同製品は「J∞QUALITY商品認証事業」の商品認証第1号を取得しており、日本製に相応しい柄として、歌舞伎に登場する「翁格子」をもとにオリジナルの配色を施した「三陽格子」の新シリーズ7型をこの春から追加。昨年9月から常設展開している三陽銀座タワーでは、100年コートの購入比率の3割以上を海外から訪れた旅行者が占めており、今後は海外への発信も強化していく。