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『クレイジージャーニー』から学ぶ「無駄が気づきになる」大切さ

2016年02月14日 02:50  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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『クレイジージャーニー』の魅力の一つが、ジャーニーたちと軽妙なトークを交わすMC陣。とりわけ、ダウンタウン・松本人志さんのコメントは番組を盛り上げるうえで欠かせない。その点について、同番組で演出を担当する横井雄一郎氏にお話を伺ってみると――。 「松本さんは好奇心旺盛な方なので、この番組で扱う題材に興味を持っていただけるんじゃないかなと思っていました。結果は見ての通りです。細かい部分も拾っていただけるので、番組に登場するジャーニーがいかにクレイジーな情熱を持っているか、視聴者により伝わる手助けにもなっています。松本さんがジャーニーに対して、“アナタ、変わってますよ!”と言っている姿を見ると、僕らとしても“してやったり”です。あの松本さんが“変わり者”って呼びたくなるくらいですから、どれくらいクレイジーなのか分かりますよね」(横井氏、以下同) また、松本さん、設楽さん、小池さんの鋭いツッコミがあることで、「無駄が無駄にならない」と横井氏は付け加える。 「番組にも登場していただいた、“グレートジャーニー”でおなじみの関野吉晴さんが、“無駄が気づきになる”と仰っています。無駄だと思っていたものに発見がある。それって旅の本質だと思うんです。この番組では交渉風景や道を歩いているだけのシーンなど、普通の旅番組であれば使わないようなカットを意図的に入れるようにしているため、僕はディレクターが撮影した素材をすべて見るようにしています。一見必要のないシーンに見えても、それがジャーニーたちの情熱や感性を表すうえで大切だったり、その国をとてもよく表すものだったりする。必ずMC陣がつっこんでくれるという安心感もありますからね」 もう一つ、同番組における演出面で心がけていることがあるという。 「企画ありきでタレントさんが現地に行かされたり、やらされたりする番組ではないため、リアクションは求めていません。それに、その土地で普通に暮らしている人が普通に行うことに対して、“(そんなことは)できない”とか“無理”と反応するのは失礼でもあるわけじゃないですか。ジャーニーの皆さんが、当たり前のようにその地域や文化に溶け込み、郷に入る、その姿こそ、この番組の独自性。そこから、新たな何かが見えてくると思う」 最近では“若者の旅離れ”などと言われて久しいが、この番組のメイン視聴者層は20~30代。番組やDVDを見た若い世代に向けて、海外旅行をするうえでアドバイスがあるとしたらどんなことだろうか? 「この番組に登場する方々の視点は、絶景を見るといった単純なものではなくて、その地域の成り立ちや文化、そこに紐づくストーリーを立体的に見ようとしています。他局ではありますが、『ブラタモリ』のような普通の町をさまざまな角度から考察する感覚といいますか。僕自身、『ブラタモリ』の一ファンなんですけどね(笑い)。ですから、先ほどの「無駄が気づきになる」ではないですが、無駄が楽しめたらより良い旅になるんじゃないかなと。ゴールに到るまでの工程、すべてに意味がある。そのきっかけとして、少しでもこの番組が役に立ってくれたらうれしいです」 取材・文/我妻弘崇 ≪DVD情報≫ ■DVD『クレイジージャーニー』 松本人志&設楽統&小池栄子VSクレイジージャーニー。 独自の目線や強いこだわりを持って世界や日本を巡る「クレイジージャーニー」が常人離れした体験を語る! DVDでは、放送できなかったVTR・スタジオトークともに未公開映像も収録! DVD2枚組で破格の2,970円(税込) クレイジープライス!