是枝裕和監督の新作映画『海よりもまだ深く』の主題歌をハナレグミが手がけることが判明。あわせて予告編が公開された。
5月21日から公開される同作は、売れない小説家で生活費のために探偵事務所に勤める良多を主人公にした作品。団地に一人で暮らす母・淑子のもとに集まった良多と、良多の元妻・響子、2人の息子・真悟が、台風で帰れなくなったために一つ屋根の下で一晩を過ごすことになるというあらすじだ。良多役に阿部寛、淑子役に樹木希林、響子役に真木よう子がキャスティングされている。
主題歌に起用されたのは、ハナレグミによる書き下ろしの新曲“深呼吸”。劇中で描かれる「夢見た未来と少し違う今を生きる人々」の姿を投影した楽曲になっており、5月25日にリリースされることも決定している。またハナレグミは主題歌だけでなく、劇中音楽も担当している。
ハナレグミに主題歌をオファーした是枝監督は、同曲について「録音スタジオにお邪魔した時、まだテーマ曲の『深呼吸』は、ほとんど歌詞はできていませんでしたが、そのメロディーラインを一度聴いただけで、身体が震えるほど感動しました。出来上がった曲は、もう、映画の描いていない主人公の過去や未来をも感じさせてくれる名曲で、この歌で映画が締めくくれることを本当に嬉しく思っています」と語っている。
主題歌を使用した予告編では、響子と新しい恋人を双眼鏡で監視している良多の様子や、響子の前で涙を流す淑子の姿、真悟が良多に「なりたいものになれた?」とたずねるシーン、淑子が良多の腕を取って歩く場面などが確認できる。また良多の姉役の小林聡美、探偵の相棒役の池松壮亮、探偵事務所の社長役のリリー・フランキーの姿も映し出されている。なお団地のシーンは、是枝が9歳から28歳まで実際に暮らした東京・清瀬旭が丘団地で撮影された。
■是枝裕和監督のコメント
ハナレグミさんには、砂田麻美監督の『エンディングノート』でご一緒させていただいたのが、最初です。その時から、いつか自分の監督作品で、音楽を、と考えていましが、今回夢が叶いました。
録音スタジオにお邪魔した時、まだテーマ曲の『深呼吸』は、ほとんど歌詞はできていませんでしたが、そのメロディーラインを一度聴いただけで、身体が震えるほど感動しました。出来上がった曲は、もう、映画の描いていない主人公の過去や未来をも感じさせてくれる名曲で、この歌で映画が締めくくれることを本当に嬉しく思っています。
■ハナレグミのコメント
主人公の良多と一緒に、うつむいたり空を見上げたりしながら曲を書きました。
「なりたい大人になれたかい?」
その問いが僕の手の中にも残り
そして また一つ 深呼吸。
この映画に参加できて、とても光栄に思います。