2016年F1シーズン開幕に向けて、レッドブルが抱える唯一の懸念はパワーユニットの性能であり、その他すべての要素は最高の状態に戻ったとダニエル・リカルドは考えている。
パワーユニット供給問題に翻弄され、2015年は一度の優勝もなく苦難のシーズンを過ごしたレッドブルは、今シーズンも結局「タグ・ホイヤー」ブランドのもとでルノー製パワーユニットを使用することになる。リカルドは2015年序盤はシャシー性能も平均以下だったことを認めたうえで、今季タイトル獲得への挑戦の妨げになるものがあるとすれば、それはパワーユニットだと感じている。
リカルドは英国オートスポーツに対して、以下のように述べた。
「タイトルを獲得できると思い込んでシーズンを迎えるわけじゃない。その考えは間違っているけど、基盤はできていると思うから、うまくいくといいね。昨年のマシンを開発していく過程で、チームには素晴らしい人たちがいるだけでなく、モチベーションやタイトルへの悲願があることが証明された。それが最も期待できる点なんだ。懐疑的になる者もやる気を失う者もいなかった。全員これまで以上にハングリー精神を持っていた」
「残念ながら、たぶん(今シーズンは)どのパワーユニットを使うかどうかに左右される。成功するか否かに少しは影響してくるだろう。だけど、それ以外の部分では、2016年に向けて間違いなく良いマシンが作れる。そうなるとエンジンの完成度は、どれほどだろう? そこが問題だ」
2014年に3勝を挙げたリカルドは、昨シーズンも同様の目標を立てていたものの、早い段階で不可能なことに気づいていた。
「期待度ということであれば、まったく的外れだった。それが現実だ。2014年に3度の優勝を獲得し、昨シーズンは『今年も少なくとも3勝だ』と思いつつ開幕戦を迎えた。それは単に自然な流れだったんだ。ルノーには1年の開発期間があり、僕らには冬のテスト期間があって、強気だった。だから当然、期待もしていた」
「序盤の何戦かを終えた時点で、期待はすべて投げ捨ててリセットしなければならなかった。だけど多くの好転も見せてきたと思う。エンジンで苦労したとはいえ、序盤数戦はシャシーもあまり良くなかったと感じている」
2016年からワークス体制となるルノーは、レッドブルにも同等のパワーユニットを供給すると確約している。