新作コレクションのテーマは「少年が描く、儚く美しい詩(YOUTH - the kids are alright)」。常に既成概念に対して別の視点で考察してきた宮下氏は、子供が大人になる瞬間や凝縮された情熱にフォーカスし、それらを「儚く美しい詩」に例えた。音符やヴァイオリン、月や星のモチーフがラグジュアリーな素材のウェアに散りばめられるなど、子供には手が届かない、でも大人には理解できない、無垢で永遠性のある新しい価値観を創り出している。
カシミヤの表地とプリマロフトの裏地のハイブリッドなジャケットの襟やポケット口には音符のモチーフが取り入れられ、スタンドカラーのジャケットは手編みのタッセルや刺繍が施されている。プリントやニットの柄は、宮下氏の親友だというパリ在住のオスカーくんが描いた創造性豊かな絵が元になった。彼がよく着ているデニムジャケットや制服などもリデザインされている。
また今回、1月10日に逝去したデヴィッド・ボウイの追悼コレクションが加わった。「カート・コバーンや他の誰よりもショックが大きかった」と話す宮下氏は、訃報を受けて急遽Tシャツとアクセサリーを追加。イラストレーター長場雄氏がアルバム「LOW」をイメージして描いたデヴィッド・ボウイのプリントは、丁度その頃に宮下氏がボウイを真似た髪型をしていたこともあって宮下氏にも似ている。その他にもオスカーくんがボウイを描いたプリントTシャツや、ボウイの眼の色を再現したトカゲ型のリングが制作された。
■コレクション全ルック・TAKAHIROMIYASHITATheSoloist. 2016-17年秋冬コレクション