1990年代後半に10代女性から絶大な支持を集めたダンスボーカルグループ「SPEED」のメンバーである今井絵理子さん(32)が、自民党の公認を受けて今夏の参院選に出馬することが正式に発表された。
2月9日に自民党本部で行われた記者会見で、今井さんは自身の息子が聴覚障害を持っていることに触れ、立候補を決意した背景を次のように語っている。
「障害を持っている子供たちが、より明るい希望を持てる社会づくりをしたい」
「息子が大きくなったときに、この国で良かったなって。この国で生まれて良かったなと思ってもらえるように、これから頑張っていきたい」
「三権分立わかる?」と政治的知識を疑う声も
しかしネットには、この発表に好意的ではない声も見られる。今井さんは現役の歌手として活動しており、女性向け掲示板の「ガールズちゃんねる」には、彼女とともに青春時代を送ったファン世代から複雑な気持ちを漏らす声も聞かれる。
「えーやめよーよー」「やめたら?今からでも」
「なんかガッカリだな~。SPEED好きだったから、こういう風になって欲しくなかった」
「客寄せパンダにされるだけなのに」「悪いけど、票数稼ぎに利用されてるとしか…」
タレント議員はいらないとして、政策よりも知名度で票を集める議員が増えると危惧する人も。「衆議院と参議院わかる?三権分立わかる?」「勘違いするな!自分の実力以上の事するな!」と、政治的知識を疑う声もある。
立候補の決意として「障害を持っている子供たち」を引き合いに出したことについても、「政治以外にも、もっと身近なところにできることはたくさんある」として、「素人が出てくのはやめようよ」と諌める人もいた。
署名サイトに1500人が賛同「自民党から出馬を撤回してください」
政治信条についての疑問も寄せられていた。今井さんは昨年8月15日に、自身のツイッター(@Eriko_imai)で「今の日本の流れを拝見すると、どこかプチ戦争なら賛成!みたいに見えるのはわたしだけでしょうか?」との思いを語っていた。
安保法案のデモが行われていた時期であったため、今井さんを法案反対派だと考えていた人は多く、ツイッターには「集団的自衛権反対なんじゃないの?なのに自民党?わけわからんわこの人」と落胆の声があがった。記者会見でツイートの意味を尋ねられた今井さんは、
「もう二度と戦争はしちゃいけない、平和を守らなくてはいけない、みんなの命を守らなければならないと、強く感じました」
と考えを語る一方で、「平和を願うだけでは守れないっていうのも現実」「万が一のための備えは必要」と安保法案に理解を示す姿勢も見せている。
この発言に落胆した人も少なからずいたようで、署名サイトchange.orgには「今井絵理子さん自民党から出馬を撤回してください」という主張を掲げたキャンペーンが立ちあがった。主催者は次のように今井さんを批判し、現在約1500人の賛同を集めている。
「あなたは勇気あるTweetをされました。その時のあなたの言葉と、あの法案の強行裁決を行なった政党から出馬するという行為は大きく矛盾する行為ではないでしょうか?」
自民党から出るのは「本気で制度を変えたかったから」なのか?
その一方で、今井さんが国政に出ることで障害者福祉が改善されることを期待する声もある。ネットには、今井さんが自民党の誘いに乗ったのは「本気で国の障害者福祉制度を変えたかったからだろう」と推測する人も。このほか、
「手話もできるし聴覚障害とかの分野や障害系の分野には期待できそうですな」
「まぁ福祉の現状はよく知ってるんだろうし、影響力もその辺の政治家より大きいだろうし、これきっかけで何か福祉が改善するならいいと思う」
といった声もあがっていた。
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