トップへ

鈴木香音の卒業で、モーニング娘。'16はどうなる? 彼女の功績と今後のグループ動向を探る

2016年02月10日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

モーニング娘。’15『Oh my wish!/スカッとMy Heart/今すぐ飛び込む勇気(A)』

 モーニング娘。'16の鈴木香音が2月7日、大阪で実施した『冷たい風と片思い/ENDLESS SKY/One and Only』のCD購入者対象イベントで、グループからの卒業を発表した。


 鈴木は9期メンバーとして2011年にグループへ加入し、以降はモーニング娘。をバラエティ面で牽引、“ズッキ”の愛称で広く愛された存在だ。今回の卒業について、彼女はブログ内で「昨年から将来について真剣に向き合うようになり、(中略)『福祉にかかわる仕事をしたい』という夢に向かうこと」を決断したと明かしている。


 モーニング娘。'16は、2015年末に鞘師里保が卒業したばかり。ここで同じく9期・17歳の鈴木がグループを去ることは、グループにとって大きな損失となるのではないか。『アイドル楽曲ディスクガイド』の編者であり、同事務所のタレントに詳しいピロスエ氏は、彼女のグループ内におけるキャラクターについてこう解説した。


「ズッキは加入当初から『変顔』を特技としているなど、『笑いを取るためなら汚れ役もいとわない』というバラエティ向けのキャラクター。2015年はダイエットからのリバウンドが話題になったり、自身でその出来事をネタするという、アイドルとしては珍しい存在でした。ハロー!プロジェクトにはかねてよりグループ内に1人程度、バラエティ番組で活躍し、グループ全体の露出を増やすことができるメンバーがおり、2014年にモーニング娘。'14を卒業した道重さゆみや、元Berryz工房の嗣永桃子、℃-uteの岡井千聖などがこれまで活躍してきましたが、鈴木もその中の一人として期待が持てるメンバーだっただけに、今回の卒業は惜しまれます。また、彼女は海外でも人気メンバーとして、NYライブでも多くの声援を受けていただけに、海を越えたファンからも大きな落胆の声が上がっているでしょう」


 鈴木がグループにパフォーマンス面で与えた影響について、同氏はこう続ける。


「“激ヤセ”後にリリースしたシングル楽曲『Oh my wish!』では、鞘師がセンターを張っていた同グループにおいて、工藤遥とWセンターを務め、新たな形のモーニング娘。を提示してみせました。また、加入2年目のアルバム曲『笑って!YOU』では終盤のフェイクパートがファンの間で話題になり、将来の伸びしろを感じさせてくれました。これらのように、鈴木は要所要所でグループにおける別の可能性、あったかもしれない未来を垣間見せてくれる“未完の大器”だったという印象です」


 昨年末以降、パフォーマンスの顔とバラエティの顔を続けて失うことになってしまったモーニング娘。'16だが、これをカバーするメンバーは現れてくるのだろうか。この問いに対し、ピロスエ氏は飯窪春菜と工藤遥の名前を挙げてくれた。


「はるなん(飯窪)とくどぅー(工藤)の2人は、明石家さんまがパーソナリティを務めるラジオ『MBSヤングタウン土曜日』のレギュラーメンバーに抜擢され、放送を重ねるごとに、どんどん喋りが達者になっています。これまでもハロプロのメンバーが同番組でバラエティ力を磨いてきたため、この2人の成長にも期待が持てます。また、はるなんは漫画オタクとして中川翔子と交流があるなど、個性的なキャラクターを持っているので、バラエティ番組などでフォーカスが当たれば、一気にお茶の間へその名前が浸透することになるかもしれません」


 同氏は最後に、モーニング娘。'16が年始に「モーニング娘。'16 『新世紀』オーディション」を開催していることに触れ、今後の可能性へ言及した。


「オーディションは1月7日から2月14日まで受付しており、今年中に新たなメンバーが入ってくることは確実です。また、これまでの傾向を踏まえると、オーディションメンバーのほかにハロプロ研修生から昇格してくるメンバーも存在するでしょう。ハロプロ研修生には、2012年に加入して以降、まだグループに入れていない将来有望なメンバーもいるので、いちファンとしてはこのタイミングでモーニング娘。'16入りしてほしいですね」


 要となるメンバーの連続卒業で、転換期を迎えつつあるモーニング娘。'16。オーディションを経ての新メンバー加入や次世代メンバーの台頭は、グループをさらに成長させることができるのか。引き続き動向を見守りたい。(中村拓海)