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上村遼太くん殺害の少年Aの両親「よく大声でケンカ」

2016年02月10日 07:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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昨年2月、深夜の多摩川河川敷で、わずか中学1年の少年・上村遼太くんが年上の不良グループに惨殺された。主犯格の少年Aに対し検察側は懲役10~15年を求刑。10日には判決が下る。 横浜市に住む30代の女性は、有志のボランティアとして殺害現場に出向き、供物の整理や清掃などをし、事件を風化させないようにしている。3日間、裁判を傍聴した。 「新しい事実もわかり、“よくそんなことができたな”のひと言です。少年Aからは、反省があまり伝わってきませんでした。“カミソンに悪い”というよりも、“殺人を犯してしまった俺は、この先どうなってしまうんだろう”と憂えているような印象。微動だにしませんし、ご遺族のほうも見ませんでしたから……」 証言台でA被告は、起訴事実を認めたが、謝罪の言葉は弁護人に促されて、最後の最後にやっと「申し訳ないことをしたと思っています」と言っただけ。検察側席に座る遺族を見ることもなく、正面を向いたままで、だった。 「もともと遼太くんは少年Aを慕い、Aも遼太くんを可愛がっていたはず。Aの口からは、“僕は本当はカミソンのことが好きだった。だけど、なぜこうなったのかわからない”というような言葉を聞きたかった。裁判中の様子からAの感情がまったく見えてこない。それが残念です」 前出の30代女性とボランティア仲間で、孫娘が遼太くんの小学校の同級生だという男性はか細い声でつぶやいた。 裁判2日目の夕方、自宅に戻った少年Aの父親を直撃した。 「(話は)ないよ」 息子がやったことについてどう思うか尋ねても「ないよ。悪いね」とぶっきらぼうに答え、家の中に入ってしまった。 事件後、少年B、Cの家族は早々に引っ越したが、Aの家族は当時と同じ家で暮らす。 その一家の様子を、近隣住人は「近所付き合いはしてないよ」と前置きし、こう明かす。 「両親はよく大声でケンカしているし、親自体がなっちゃいないのよ。子どもも子どもで、事件の前は家の前で夜、酒を飲んでは大声で騒いでいましたからね」 少年Aの成育環境は、弁護人が「日常的に暴力があった」と訴えたほどひどいものだった。行きすぎた体罰が、少年を凶悪犯に育て上げたのか。 前出の近隣住人は、凶悪の芽とも思えるおぞましい出来事を、今も忘れられないという。 「Aが小学生のころ、ちょうど今ぐらいの寒い夜、悪さをしたのか、素っ裸で外に出されてね。ピーピー泣いていました。今でいうと虐待よね。子どもはさらに弱いものをいじめ、野良猫を水が入っている樽に入れて、棒で突っついて殺していました」 少年Aが殺害の主犯格と聞いたとき、あの子ならやりかねないと思ったという。同級生によれば「キレやすかったけれど普段はおとなしかった。友達が少なく、アニオタだった」という少年A。 「不良デビューが遅すぎて、加減がわからなかったんじゃないですか。武器使っちゃうし。無期懲役になってほしい。出口がないように……」(少年Aの同級生女子) 裁判では、上村くんが瀕死の状態で、最後の力を振り絞って川から草むらまで23.5メートルをはって移動したことが明らかにされた。 「虫の息で、最期の瞬間まで一生懸命生きたんですよ」と言葉を詰まらせる前出の30代のボランティア女性は、3日目の裁判が終わった後、絶命した場所を訪れ「遼太~、よく頑張ったな」と大声で叫びながら涙したという。 取材/山嵜信明と週刊女性取材班