トップへ

後輩に仕事を任せるときの3つのコツ

2016年02月10日 00:02  オズモール

オズモール

写真
部下に仕事を任せられないから、私ばっかり忙しくて大変!…職場に、そんな愚痴を言いながら、ひとりで仕事を抱え込んであくせく働いている先輩や上司を見た覚えはない?  働く女性のアドバイザー的存在として多数の著書を執筆している有川真由美さんは、「リーダーは仕事を抱え込まないようにすることが大切です」と話す。

仕事には大きく、実務をこなす“実働部隊”と、そのチームを管理して仕事を回す“管理者”という、ふたつの役割がある。双方がきちんと機能していることで、チームワークが高まるもの。

「リーダーがチームを統率して結果を出すためには、ある程度実務を部下に任せて“管理者”の仕事に専念するのが理想です。とはいえ、リーダーになるのはもともと仕事ができる人なので、その人に実務の依頼が集中してしまう場合もあります」(同)

こうしたときリーダーは、本当に自分でないと処理できない仕事以外は手を離し、後輩や部下に任せるべき。でも、経験値不足から仕事を上手に部下に割り振ったり、指示したりできない人も少なくないとか。

「自分で実務をこなすのと、後輩や部下に彼らが未経験の仕事をお願いするのは、まったく別のこと。自分より経験が低い相手に上手に指示を出すには、慣れやコツが求められます」(同)

だからこそ、「いつかリーダーになって活躍したい」と思っている人は、今のうちから、後輩に上手に仕事を任せる次のようなポイント身に付けておこう。


◆仕事の役割とゴールを伝える

やみくもに仕事を任せると、後輩は「仕事を丸投げされた」と思ってしまう。例えばプレゼン用のグラフ作成を任せるなら、「2月29日のプレゼンの3日前までに、私がリサーチをしたデータをグラフにしてください。最近の傾向が一目で見て取れるグラフを用意することで、上層部にこのジャンルに投資する価値があることをわかってもらいましょう」というふうに、どう仕事を役割分担し、どのような作業を具体的に求めているのかだけではなく、どんなゴールを達成したいのかを伝えると、後輩のモチベーションを高めることができる。

◆基本的な注意点をしっかり伝え、あとは見守る

せっかく仕事を任せても、途中で「あれはできてる?」とか「ここはこうしたほうがいい」など、細かく確認したり指示を出したりしまうと、後輩は指示されることしかしなくなってしまう。最初に、納期などの絶対守るべきこと、経過報告をきちんとしてもらうこと、どうしてもわからないことは必ず相談することなど、基本的な注意点を伝えたうえで仕事を任せて。ただし、困っていないか、締め切りに間に合うかをよく観察し、必要なときには手を差し伸べよう。

◆感謝やねぎらいの言葉をかける

後輩が任せた仕事をやり遂げたら、必ず感謝やねぎらいの言葉をかけよう。なにもねぎらいの言葉がないと「先輩は面倒な仕事を押し付けた」という印象を持ち、やる気を失ってしまう。このひと言があることで、後輩は仕事にやりがいを感じて、次もがんばろうと思うことを忘れずに。

まずはこうしたポイントが身に付けば、チームを上手に統率するリーダーにもなれるはず。実践の中で自分なりのコツも見つけよう。




有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。44か国を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。