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WTCC王者ロペス、フォーミュラEアルゼンチン戦でデビュー寸前だった

2016年02月09日 11:41  AUTOSPORT web

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DSヴァージンでフォーミュラEのシート合わせをするホセ・マリア・ロペス
世界ツーリングカー選手権(WTCC)チャンピオンであるホセ・マリア・ロペスは、食中毒に見舞われたDSヴァージン・レーシングのジャン-エリック・ベルニュの代わりにフォーミュラEアルゼンチン戦に出場寸前だったことが明らかとなった。ロペスは、シトロエンのWTCC撤退後の進路にフォーミュラE参戦も考えているようだ。

 2014、2015年とWTCCを圧倒的な強さで制したロペス。2016年もシトロエンから3年連続王者獲得へ向けて参戦するが、今シーズンいっぱいでシトロエンはWTCCから撤退すると言われている。

 WTCCに引き続き残るのか、それとも別のカテゴリーに参戦するのか、ロペスのその後の去就に注目が集まっている。今年初めにはスポーツカー転向を考えていると報道されたが、フォーミュラE参戦にも興味があるようだ。

 ツーリングカーのイメージが強いが、若き日はフォーミュラ・ルノーで経験を積み、ルノーF1の育成プログラムの一員に。2004年にはフォーミュラ3000(旧GP2)にステップアップ。2005、2006年はGP2に参戦していた。また2010年にはF1に参戦するUSF1との契約を発表したが、チームの資金難でロペスのF1参戦も夢と消えた。

 先週末、ロペスの母国アルゼンチンのブエノスアイレスでフォーミュラEが開催。シトロエンの姉妹ブランドDSのゲストしてイベントを訪れていたロペスだったが、DS・ヴァージン・レーシングのベルニュが食中毒で参戦が危ぶまれ、急遽代役に抜擢された。

 シート合わせまで行いデビュー寸前だったが、ベルニュはメディカルチェックを通り復帰。ロペスの参戦はなくなってしまった。


 しかし、ロペスはフォーミュラEがWTCC後の魅力的なオプションだと感じているようだ。実際、昨年行われたDSヴァージンのフォーミュラEシーズン2用パワートレイン開発テストに参加もしている。

「将来的には、いいはずだよね? ドライバーのレベルが好きなのもひとつさ。知っているドライバーが多いし、とてもナイスな都市でレースをしている。今はシトロエンのドライバーだから不可能だ。2017年は、シトロエンはWTCCを離れる。だから将来的なオプションになるだろうね」

「小さなテストを行ったけど、それは楽しかった。違いもあるし、慣れるまでには時間を要するけど、ドライブするのは楽しみだね。レースするのが好きだし、これは適切なレースだよ」

 シトロエンで2年連続でWTCC王者に輝いたロペスは、シトロエンとの“家族”の関係を維持したいと考えているようだ。

「今持っているチームとの関係を続けられることは素晴らしいよ。彼らは2年前に僕を迎え入れ、家族になった」

 ロペスがフォーミュラEデビュー目前までいった経緯をDSヴァージンの代表アレックス・タイは次のように説明している。

「我々は(午前中)、非常に心配していたんだ。彼(ベルニュ)は運転できる段階ではなかった。代わりのオプションを考えるために周りを見なければならなかったが、ありがたいことにいくつかのオプションがあった。非常に人気のオプションもね。でもベルニュにドライブして欲しかったんだよ」

「彼がドライブしたいという情熱を歓迎していたが、ジャッジメントを待たなければならなかった。FP1、FP2の間はまだだったが、彼は十分に回復し顔色も戻っていた。私は“OK”と言い、ベルニュをドライブさせたんだ」

 いきなり予選からの走行となったベルニュは、予選15番手となり決勝レースは11位で終えている。