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国内デザイナーズブランドの展示会時期が二極化 スケジュールの見直し進む

2016年02月08日 08:02  Fashionsnap.com

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ヤストシ エズミ 2016-17年秋冬コレクション展示会 Image by: Fashionsnap.com
国内のデザイナーズブランドによるコレクション発表時期の二極化が進んでいる。秋冬シーズンに向けた新作を発表する東京のファッションウィークは3月中旬だが、海外展開を見込んで2月上旬に国内展示会を早めるブランドが増えている。

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 メンズとウィメンズを同時に発表している「08サーカス(08sircus)」は、パリで1月のメンズファッションウィーク期間中に開催している展示会を通じて海外の取引先を広げている。同じく展示会がメインの「マメ(mame)」はNYのショールームと契約し、NYとパリのファッションウィークに合わせたスケジュールにシフトした。「ヤストシ エズミ(YASUTOSHI EZUMI)」は2016年春夏コレクションから時期を前倒しし、NYとミラノで出展した後に東京のファッションウィークでショーを開催していたが、「受注期間が長くなり生産に入る時期が遅れていた」(デザイナー江角泰俊)ことから翌2016-17年秋冬コレクションはショーを行わず国内外の展示会のみに絞る。ものづくりを第一に考える「ネ・ネット(Né-net)」や、早い時期に受注して生産に入ることで「工場に余裕がありクオリティを維持できる」(デザイナー深山拓也)という「ニアー ニッポン(near.nippon)」も"早期組"で、国内展示会の時期はいずれも1月末から2月上旬。江角氏は「ブランドの意思をしっかり持ち、デザインや生産の現場にとって"健康的"なスケジュールを確立していきたい」と話している。
 秋冬シーズンに向けたウィメンズのファッションウィークは2月中旬のNYにはじまり、ロンドン、ミラノ、パリ、そして東京と主要都市を巡回する。主要百貨店や小売店は欧米のファッションウィークから買い付けを始めるため、3月中旬の東京の時期にはバジェット(買い付けの予算)が少ないというバイヤーもいる。また、百貨店をはじめ6月に秋物を投入するには東京のスケジュールだと生産がタイトになる。そのため「ビューティフルピープル(beautiful people)」や「タロウホリウチ(TORO HORIUCHI)」は2月上旬にプレフォールコレクションを発表しているが、これら2ブランドはいずれも来年を目処に海外進出を視野に入れておりスケジュールの見直しが必須になるだろう。一方「バーバリー(Burberry)」や「トム・フォード(TOM FORD)」はショーと販売のタイミングが離れている従来の方式を覆し、逆に発表時期を後ろ倒ししている。国内外でスケジュールが分散する今、改めてファッションシステムやコレクション発表の構造を見直す時期にきているようだ。