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ル・マン24時間のエントリーリスト発表。61年ぶりに60台が集結へ

2016年02月06日 05:31  AUTOSPORT web

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第84回ル・マン24時間耐久レース
ル・マン24時間を運営するフランス西部自動車クラブ(ACO)は5日、第84回ル・マン24時間耐久レースのエントリーリストを発表した。今年は参戦台数が増加し、全60台が名を連ねたほか、リザーブエントリーとなる10チームも同時に発表されている。

 今年も、WEC世界耐久選手権の第3戦として、6月18日~19日に開催されるル・マン24時間。昨年までは参戦上限が56台だったこの伝統のレースだが、今年は60台がエントリーを果たしている。当初、16年は58台、そして17年に60台と段階的に参戦台数を増やしていく計画となっていたが、“質の高い”エントリー申し込みが多数寄せられたため、選考委員会は急きょ、今年から60台を受け入れることを決定したのだという。ちなみに、ル・マン24時間のグリッドに実際に60台が並ぶこととなれば、1955年以来、実に61年ぶりの出来事となる。

 そんな今年のル・マン24時間。まず総合優勝を争うLMP1クラスでは大きな変化があった。それは、昨年はこのル・マンで3台体制を敷いていたポルシェとアウディが“コスト削減”のため2台体制に変更したこと。トヨタもこれまで同様2台での参戦となっていることから、3メーカーはWECのシリーズ戦と変わらずそれぞれ2台ずつでル・マン制覇を争うこととなった。プライベーターとしてハイブリッド非搭載のマシンを走らせるレベリオンの2台、そしてバイコレスの1台を加えて、計9台がこのLMP1を戦う。

 コストキャップ制のもとプライベーターが激しい戦いを繰り広げるLMP2クラスには、WECにフル参戦する10台に加えて12台が集まり、合計22台のエントリーとなった。ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)やアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)などからの参戦のほか、北米ウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップからはマイケル・シャンク・レーシングのリジェJS P2・ホンダも参戦。さらに、今年のWECではLM-GTEアマクラスへと移行した昨年ウイナーのKCMGも、このル・マンではLMP2にもエントリー。ドライバーには、松田次生の名前が記されている。

 LM-GTEプロクラスも14台と盛り上がりを見せる。フェラーリの新型488 GTEが3台、ポルシェの2016年型911 RSRが3台、そしてアストンマーチン・バンテージが2台となっているほか、昨年に引き続きコルベット・レーシングが2台のコルベットC7.Rを投入。さらに、今年からWECにもフル参戦するフォード陣営は、WEC参戦の欧州チームの2台に加えて、WSCC参戦の北米チームの2台もエントリーさせ、フォードGTは合計4台に。初年度から“必勝体制”で既存の4陣営に挑む。

 そしてLM-GTEアマクラスも、プロクラスと同じく14台がエントリー。チームAAIやクリアウォーター・レーシングなどアジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)やGTアジアなどで活躍するチームも名を連ねている。

 なお環境技術等の新技術を志向したマシンに与えられる章典外の特別枠“ガレージ#56”からは今年、SRT41・バイ・OAKレーシングのフレデリック・ソーセというドライバーがエントリー。ソーセは、2012年に細菌感染によって手足を切断することになってしまったが、その後、切断した腕に繋げられたステアリングと、足先の装置でペダルをコントロールする装置でレース参戦を開始。今回はモーガンのLMP2車両に装置を組み込んで、ガレージ#56枠からル・マン参戦の夢が叶えられることとなった。

 またリザーブエントリーとして、LMP2の6チーム、LM-GTEアマクラスの4チームの合計10チームがリストに名を連ねている。