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借金延滞でローンが組めない婚約者…「ブラックリスト」は何年のるの?【小町の法律相談】

2016年02月05日 07:41  弁護士ドットコム

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1年の交際を経て婚約。新生活に向けて胸を弾ませているはずの女性から、YomiuriOnlineの「発言小町」に相談が寄せられました。


女性が婚約者と新居について相談していたところ、「20代に借金をした事があり、支払いが滞った事が複数回あるため、今は銀行のローンはもちろん、消費者金融のローンも通らない状況」であることを明かされたそうです。


遅延は3年にも及んだそうですが、最終的には完済。「今は心を入れ替えて真っ当になり、貯金もコツコツしています」という。トピ主は「『何年かリストからは外れるからその時に家を』と言いますが、リストから外れるなどということはあるのでしょうか?」とたずねる。


レスには「長期のローンを夫名義でするなど信じられません」「貯蓄ではなく、再び借金をするのですね」などと厳しい意見も並びます。


「ブラックリスト」とはどのような仕組みになっているのでしょうか? 土屋義隆弁護士に聞きました。


(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「ブラックリスト?は何年載るの?」はこちら、http://komachi.yomiuri.co.jp/t/2015/0814/725569.htm)


A.  「自分の情報開示を求めることができます」


ブラックリストとは信用情報機関に登録された事故情報(延滞情報等)のことを言います。しかし、ブラックリストというリストが特別に存在するわけではありません。


金融業者は借り手の信用力を判断するために信用情報機関に登録されている借り手の「信用情報」を確認しています。


「信用情報」とはクレジットやローンなどに関する契約内容や返済・支払状況等の情報です。信用情報機関がこのような情報を有しているのは、借り手がクレジット等を申し込む際に申込書類や契約書等で情報登録や他の信用情報機関の会員会社に利用されることに同意しているためです。


信用情報機関には、例えば銀行系としてKSC、クレジット・信販会社系としてCIC,消費者金融系としてJICCがあります。


自分の事故情報が記録されているかどうかを調べるには、信用情報機関に情報の開示を求めれば分かります。窓口、郵送、インターネットでの開示請求が可能です。


返済日から61日以上又は3か月以上の延滞は、延滞(異動)情報として登録されます。登録期間は信用情報機関によって異なり、JICCは延滞解消後1年を超えない期間、CICでは契約期間中及び契約終了後5年以内とされていますので(各機関のHP参照)、この期間が過ぎれば事故情報は消去されることになります。


事故情報が消えれば、新たにローンを組むことができる可能性は高まります。ただし、ローンが組めるかどうかは、最終的には金融業者の審査基準によります。現在の収入など複数の要素が審査されますので、信用情報機関の事故情報の有無のみで、ローンが決まると単純に考えない方がよいと思います。


ところで、信用情報機関の信用情報は、返済能力等を調査する目的のみに使用することになっております。ローンを組む時など以外に影響はなく、勤務先に情報が漏れるということはありません。




【取材協力弁護士】
土屋 義隆(つちや・よしたか)弁護士
昭和41年生まれ、裁判所で事務官・書記官としての勤務を経て、平成16年弁護士登録。取扱い案件は、借金問題、労働、交通事故、企業・個人の一般民商事件など。
事務所名:新宿東法律事務所
事務所URL:http://shinjukueast-law.jp/