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関ジャニ∞渋谷すばるはなぜ“歴史的名曲”のカバーに挑む? 歌手活動の本格化の兆しも

2016年02月05日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(C)タナカケンイチ

 関ジャニ∞の渋谷すばるが、2月10日に初のカバーアルバム『歌』をリリースする。


(関連:関ジャニ∞・渋谷すばるがソロで示した実力 アイドルから俳優までこなすエンターテイナーへ


 その卓越した歌唱力で、関ジャニ∞の音楽活動を牽引してきた渋谷。昨年、初主演映画『味園ユニバース』の主題歌『記憶/ココロオドレバ』でソロデビューを果たし、今回は約1年ぶり・第2弾のソロ作品となる。渋谷のソロライブ等ではすでにお馴染みのRCサクセション「スローバラード」のほか、宇多田ヒカル「First Love」、安全地帯「君がいないから」などの8曲がラインナップ。ファン世代から親世代までが親しめる内容となっている。


 今回、渋谷が自身のソロ作品でカバーアルバムに挑戦した理由とはなんだろうか。ジャニーズに詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏に聞いた。まず、渋谷が主演を務めた『味園ユニバース』で、渋谷のソロでの歌唱力が世間に頭角を表し始めたと佐藤氏は説明する。


「ファンは当然のこと、アーティストや俳優も渋谷さんを評価していたことが印象的でした。ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんや、岡村靖幸さん、女優の宮沢りえさんらが作品に絶賛のコメントを寄せていたのは、ストーリーや演出の良さはもとより、渋谷さんの声量と歌唱力が活きた結果だと思います。監督の山下敦弘監督も、渋谷さんのことを『役者というよりミュージシャン』『一番の魅力はライブ』と評価し、彼にしかない味をうまく引き出していたと思います」


 映画出演を通してソロでの評価を得た渋谷が、二作目に選んだのはカバーアルバム。その理由と狙いはどこにあるのだろうか。


「オリジナルアルバムよりハードルが高くなりますが、ファン以外の人にも実力を知ってもらうには最短の方法なのでは。うまく歌いこなせれば世間の評価も上がりますし、誰もが知る名曲をジャニーズのアイドルが歌うという話題性もあり、ベストな判断だと思います。また、三作目以降に本格化するであろうソロ活動を見越して、今はそのコンセプトを考えている時期なのかもしれません。だからこそ早い段階でカバーアルバムを出して、ファン以外の方への間口を開こうと考えたのではないでしょうか。同作を機に、音楽性の追求や表現の探求がスムーズに進み出すのだろうと思います」


 ファン以外のリスナー獲得については、渋谷本人も「関ジャニ∞のファンに感謝しながら、いろんな年齢層の人にアプローチしたい」と一部報道で語っており、ソロ活動におけるひとつの課題になっていることが分かる。


 『歌』で念願のスタート地点に立ったと言える、渋谷の歌手活動。同作にはキャロル「ファンキー・モンキー・ベイビー」のようなアッパーな曲から、竹内まりや「元気を出して」のような優しい曲までが見事に歌い分けられ、ただの“歌うま”に留まらない表現力の高さが伺える。渋谷の歌手道がさらに開ける日はそう遠くないだろう。(遠藤良美)