トヨタの世界ラリー選手権(WRC)プロジェクトを率いるトミ・マキネンは、現在WRC2やヨーロッパラリー選手権(ERC)などで主流となっているR5規定のトヨタ・ヤリスR5を開発する構想があると語った。
R5規定は、これまでのS2000規定に代わる車両規定で2013年に発効したもの。安価なパーツの使用義務付けやエンジンの排気量制限など、厳しいコスト制限が行われている。これまでフォードやシトロエン、シュコダなどがR5マシンを投入しているほか、ヒュンダイも年内の投入を目指してi20 R5を開発中。1月下旬には初の走行テストも行っている。
TOYOTA GAZOO Racingチーム代表のマキネンは「開発に集中できる状況になれば、すぐにでも取り組むつもりだ。すでに事前準備として調査を進めている」と語っている。
「もちろん、TMG(トヨタ・モータースポーツGmbH)ともR5に関する話し合いを行っているよ。トヨタとしても、マーケットの規模や動向を把握し、我々に何ができるかを知る必要がある」
「(ヤリスR5が)2017年に登場することはない。デビューは2018年になるだろうね。仮に今すぐ開発を始めても、準備が整うのは17年末になる。しかし、十分な戦闘力がない状態で披露する気はない。マシンのポテンシャルを引き出すことに集中したいんだ」
また、マキネンはヤリスR5の開発をトミ・マキネン・レーシングで経験を積んでいる新井大輝と勝田貴元に任せる可能性も示唆している。