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長渕剛、ドキュメンタリー上映会で涙流すファンと“絆の確認”「あの日に見た太陽を一生忘れない」

2016年02月03日 12:01  リアルサウンド

リアルサウンド

ドキュメンタリー上映会に登場した長渕剛。(写真=辻徹也)

 長渕剛が2月2日、新宿バルト9(シアター9)で『スペシャル・ドキュメンタリー上映会』を開催した。


(参考:長渕剛が語り尽くす富士山麓ライブ、そして表現者としての今後「世の中に勇気としあわせの爆弾を落としていく」


 同イベントは、長渕が2015年8月に行なった『長渕剛 10万人オールナイト・ライヴ 2015 in 富士山麓』の映像作品(2月3日発売)のリリースを記念し、映像商品に収録するスペシャル・ドキュメンタリー(約90分)を発売に先駆けて上映するというもの。会場には商品をTSUTAYAチェーン対象店舗と公演会場「ふもとっぱら」で予約した約2000名の応募者から、見事当選した約400名のファンが招待された。


 長渕がファンの面前に姿を現すのは『10万人オールナイト・ライヴ 2015 in 富士山麓』以来とあって、この日会場を訪れたファンは開演前から早くも興奮気味になり、会場全体が緊張感に包まれていた。イベントは司会の遠山大輔(グランジ)がステージに本人を呼び込みスタート。スーツ姿で登場した長渕に向け、ファンはライブ会場さながらの「ツヨシコール」で応えた。


 長渕は過去に俳優として舞台挨拶を行なったことはあるが、ミュージシャンとしては初めてだと語り、今回の映像作品の編集に全編立ち会ったことについては「富士が終わって倒れたんですよね。今から見てもらうドキュメンタリーで描いてるんだけどね。1週間くらい立なかったですよね。そのあと命からがら編集所に向かいましたよ」と前人未到の10万人オールナイトライブがもたらした壮絶さを語った。その後、ライブ本編の話やドキュメンタリーの内容について熱い思いを語ったのち、遠山が今後の予定を聞こうとしたが、ここで長渕本人が質問コーナーを提案。以降はファンと長渕の熱い交流がスタートした。


 まず、12年前にギターにサインをもらったというファンから「その時のサインが薄くなってしまったので、新たにサインを」と懇願された長渕は、はじめこそ「今日サインは無理だよ」と笑いながら言っていたが、会場の「ツヨシコール」に負け、後日サインを来場者全員にプレゼントすることを約束し、ファンからは大歓声が飛んだ。続いて桜島のオールナイトライブにも行ったというファンから「今回は、ライブ後に何をされたんですか」と質問が寄せられ、長渕はいたずらに「今回は点滴を打ちましたよ」と笑って答えた。


 その後、長渕は「とにかくみんなとの距離が遠かった、みんなも探り探りだったと思ったから、まずはみんなとひとつになりたいって思った」とライブの壮大なスケール感について振り返り「ひとつになりたいという思いで、ライブの1部から3時間近く飛ばして、マックスにいってしまったんだよ。2部以降は、気力とみんなの声援で立ててたって感じだった。その後はほとんど放心状態。達成感とかそういうことじゃなかった」と生命の危機にさらされたことを明かした。また、「“俺はみんなと一緒になったのか?”“確かに太陽は上ったけど、みんなは無事に帰れたのか?”“本当に心の中に宝物の太陽を一緒に引きずり出せたっていう思いをみんなは心の中に持ち帰って、それで、それぞれの人生の中でそのことが(みんなの)太陽になるんだろうか?”そんなことを考えながら生まれて初めて失神してしまいました」と、そんな状態でもファンとの絆を確認していたことを話す長渕の姿に、熱い思いがこみ上げたのか涙を流すファンの姿も。


 そして長渕は、ライブ時に抱いていた心境について「ただ恐怖はなかったね。みんな一緒に1週間前から2600人のスタッフがひとつの心でみんなを待ってて、作り上げた。これで太陽がでなかったら、みんなの気持ちも前に進めないとものすごい圧力を感じながら、普段のコンサートよりも余裕がなかったからね」と語り、続けて「本当にひとつになれたのは、3部の『絆 -KIZUNA-』のあとくらいからだね。車でセンターステージにいって、みんなの近くに行ったとき。自分のありたっけ以上の力をだして、みんなの胸をかりて、コンサートができたって想いと、太陽を一緒につかめたってことで、スーッと気を失ったね」と自身が倒れるまでの流れを説明し、会場のファンとともに「あの日に見た太陽を一生忘れない」ことを誓いあった。


 イベントの最後には、長渕が「生涯、この時代に生きている以上、みんなとクリエイトして、表現者としていろんな作品を書き続けて、みんなと一喜一憂して、幸せを感じて生きていきたいと思います」と今後について語り、ステージを後にした。(リアルサウンド編集部)