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「年寄り扱いは嫌」シニア向けのグッズ使用でストレスも

2016年01月31日 05:20  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

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働く人の心の健康を守るための『ストレスチェック制度』(改正労働安全衛生法)が昨年12月に法制化された。シニア世代も例外ではない。 「シニアの方に多いのは“身体的な病気にかかりやすくなってしまった”というストレス。年齢を積み重ねるたびに、どんどん不健康になっていくのでショックが大きい」(精神科医で『ゆうメンタルクリニック』代表のゆうきゆう医師) 具体的には、こんな声が寄せられている。 「物忘れが激しくなって、自分の記憶力に自信がなくなった」(64歳・女性) 「何もないところでつまずき、転倒。うまく受け身をとれずに手首を骨折しました」(72歳・女性) 年をとるほど、ケガや病気は増えていくもの。昔はできたのに……というプライドが、ストレスを抱える原因にもなっている。 「補聴器をつけろと娘に言われるけれど、つけたくないんですよ。しかし、娘と孫が2人で何か話している言葉が聞こえず、“俺の悪口を話しているんだろう”と尋ねたら、“聞こえないなら補聴器をつけろ”と怒られました。聞こえないこともストレスだけど、補聴器をつけるのはカッコ悪くてためらわれる」(74歳・男性) シニア向けのグッズを使うこと自体、自分が年寄りだと言われているようでストレスなのだ。30代の看護師Aさんは、病院で高齢患者と接するときに、それを感じるという。 「入院している患者さんの中には、車イスや杖、おむつを使うことに嫌悪感を抱く方が多いです。“まだできる”という気持ちが大きいのでしょうが、使ってしまえば便利なものもあるのになぁと思ってしまいます。老人扱いされることがイヤなのでしょうね」 また、孫を可愛がらなくてはいけないというプレッシャーも。 「孫は大好きですが、こちらにも金銭面の援助には限度がある。生活を切りつめたり、貯金を切り崩したりしてでも、孫には笑顔でいてほしい」(77歳・男性) 孫に対する見栄から困窮生活を余儀なくされている人も。 「親戚や友人が病気で亡くなったりすると、“自分も同じ病気なのでは?”と疑う方も多いです。ガン家系で親戚を亡くしている人は、検査をしても“隠されているのでは? 検査で見落とされたのでは? 今は違っても結局、ガンになるのでは?”など心労が絶えない人も」(ゆうき医師)