漢字を当て字にして普通とは違う読み方をさせたり、動物や外国人風の名前を付けたりする「キラキラネーム」。リクルーティングスタジオが発表した2015年の「ベスト・オブ・キラキラネーム」を見てみると、1位は「皇帝」(しいざあ)、2位は「一心」(ぴゅあ)、3位は「大海」(おーしゃん)となっており、初見では読めそうにない名前となっている。
キラキラネームを子どもに付けることに疑問を持つ人は多い。はてな匿名ダイアリーにも、姉が産まれてくる子どもに「シャチ」と名付けようとしているため、どうにか止めさせたいという投稿が1月25日に寄せられている。これに対して、自身がキラキラネームだという男性が名前によってどれだけ苦労したのかを綴ったエントリーを寄せている。
取引先に名刺を渡すと「あっ…」と戸惑われる
タイトルは「俺もキラキラネームだが、人生は暗いぞ。マジでやめろ。」というもの。投稿者は名前を明かしていないが、「騎士」と書いて「ナイト」と読むような名を親に付けられた。
キラキラネームであることの苦労は絶えないようで「人生は地獄だ。毎朝鏡を見て己のブサイクぶりに絶望し、名前を書くときに絶望し、自己紹介して絶望する」と語る。社会人のため、取引先に会うときも微妙な感じになるという。
「想像してみろよ。取引先に名刺を渡した時の『あっ…』っていう空気を。さらに、『キミくらいの歳で、もうこういう名前なんだねぇ』と言われるその場を。俺はなんて答えればいい?」
キラキラネームが注目を浴びるようになったのは2000年頃からだが、投稿者は社会人なのでそれよりも前の産まれだと推測される。同世代にキラキラネームが少ないため、余計に注目を浴びる、ということもあるようだ。
「人間関係は第一印象でほぼ決まるという。その第一印象でいきなり『こいつは…』と値踏みされるのが、初対面の数だけ経験するんだぞ?」
しかもその機会が「自分がアクティブに活動すればするほど増える」というのもやり切れない。そのため、最近になって改名したといい、「すげぇ安堵した。涙が出るほど嬉しかった」「胸を張って自分の名前を言えるのがどんなに素晴らしいことか」と心境を語っている。
「名前の後ろに『取締役執行役員(53)』を付けてシミュレーションして」
キラキラネーム当事者からの話はあまり聞かないためか、これには「魂のこもった激白。全ての親に読ませるべき」と感想が寄せられた。
「ハンディキャップになるのは確かなんだろなあ。打ち消すくらいのよほどのモノを持ってないと死ぬだろな……」
「こういう名前を考えている親は、その名の後ろに『取締役執行役員(53)』と付け加えてシミュレーションしてみてほしい」
また、同じような体験をしている人からも、「わかるうううう」との声や「グッと来た」と声があがっていた。
「わたしも改名までは無いけど、名前を言うのが少し恥ずかしいので。親になる人は自分がその名前を名乗ったり、呼ばれたりする姿を名付け前に想像してほしい」
就活では「キラキラネームより古風な名前が有利」?
実際にキラキラネームで人より苦労する場面は多いようだ。投稿者は社会人生活での経験を語っていたが、その前の就職活動の段階で不利になるケースもある。ライフネット生命が2013年に発表した「新卒採用関係者の意識調査」では、14.5%の人が「キラキラネームより古風な名前が有利」と答えている。
ただ、匿名ダイアリーのコメントでは、キラキラネームを職場で見かけても「いちいち気にしてないな」との声も寄せられていた。
「陰口叩くヤツの方がただの難癖扱いで冷笑買ってるよ。仕事全然出来ないヤツが名前でマウント取ろうとしてる景色は滑稽」
しかし、名前をはねのけられる能力があればいいとしても、投稿者のようにそもそも名前を重荷と思ってしまう人がいるのも事実。愛情を込めて個性的な名前を付けているのは十分理解できるが、キラキラ具合もほどほどにといったところだろうか。
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