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うつ病と診断されたら…会社員の「休職」にまつわる法律知識

2016年01月30日 08:51  弁護士ドットコム

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うつ病などが原因で、休職を余儀なくされる方は珍しくありません。しかし、弁護士ドットコムの法律相談コーナーには「どのように休職を申し出れば良いのかわからない」「医師の勧めで休職を申し出たところ、『そのような制度を使った人はいない。みんな辞めている』と言われている」などと相談が寄せられています。


法律は「休職」を希望する人に、どのような権利を認めているのでしょうか? 清水 建夫弁護士に聞きました。


A.  病気を理由にした「休暇」「休職」の制度がある


なんらかの事情で、体調を崩してしまったため、仕事を当面休みたい。そんな場合、ほとんどの会社では、就業規則で「病気による休暇」と「休職」の二つの制度を設けていますので、この制度を使って休むことになります。


「病気休暇」は短期間休む場合で、一定期間を超えると「休職」扱いになります。まずはあなたの会社の就業規則を調べてみてください。休職をする際は、いきなり長期ではなく、とりあえず1カ月程度休んで経過を見ることをお勧めします。


休職はある程度の期間会社を休むことになりますので、医師の診断書の提出が必要です。


診断書は「病名」と、「〇日間(〇カ月間)療養を要する」と期間が記載されます。


ただし、うつ病で休職する場合に、病名を「うつ病」と正確に記述することが必ずしもベストとは限りません。会社によって、うつ病に対する理解度は違いますので、その点を含めて医師と相談しましょう。理解度が低い会社では、本来あってはならないことですが、復職後に不利益を被る恐れがあります。


会社がうつ病の病名での休職を認めず診断書を本人に突き返すことは、医師の見解に反して従業員の安全配慮義務を怠ることになり違法です。


なお、うつ病は長時間労働など、会社の働かせ方が原因で発症する場合があります。その場合は「労災」と認められる可能性があります。会社の側に問題がありそうなら、診断書で触れてもらうことを検討してみてください。


復職後の雇用管理について会社に配慮を求めるものであり、これを無視することは安全配慮義務違反となります。労災認定がされなくとも医師の見解は尊重されるべきです。労災認定の場合は、労災申請書に医師が別途証明書に記載します。


また、会社によっては、復職に際して、産業医の診断を求めることもあります。産業医の理解を得ることは復職への早道です。復職後の働き方については、健康配慮の視点から医師の診断書に記載してもらうと良いでしょう。




【取材協力弁護士】
清水 建夫(しみず・たてお)弁護士
働く障害者の弁護団代表。働くうつの人のための弁護団代表。NPO法人障害児・者人権ネットワーク理事。銀座通り法律事務所代表。
事務所名:銀座通り法律事務所
事務所URL:http://www.ginzadori-law.jp/