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40代ニートの実態が悲惨すぎる…… 12年間引きこもり、目標は「パソコンのソフトを完成させる」

2016年01月29日 14:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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1月22日放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日)をぼんやり視聴していると、気になる特集が組まれていた。「苦悩…高齢化する家族崩壊の現実」と題され、内容も強烈だったので、ちょっとこちらで紹介したい。(文:松本ミゾレ)

「もう殺されちゃう」、年老いた両親に日常的に暴力

千葉県某所。70代老夫婦のインタビュー映像から、VTRはスタートする。7年前に夫が定年退職。マイホームで夫婦水入らずで悠々としたセカンドライフを満喫できるはずだったが、モザイク越しでも分かるほど、夫婦の表情は暗い。原因は、今年47歳になるという息子。この息子が年金暮らしの夫婦の僅かな蓄えを強引に奪っているというのだ。

「(年金を使って)1人でのうのうと食べて飲んで」と、実の息子に対して躊躇なく説明する夫。無理もない。この夫婦は、47歳の息子から日常的に暴力を振るわれているのだ。

夫が「突き飛ばされて、足で踏んづけられたこともある」と言えば、妻は「本当に安心して寝られない。もう殺されちゃう」とまで言ってしまう。冒頭から信じられない家庭を紹介してくれたものだ。

これがもう12年も続いているというから驚きだ。そんな状況を打破するためにやってきたのが、非行、不登校などに対処するフリースクール「ワンステップスクール伊藤学校」の廣岡政幸校長と、数名の職員たち。夫婦の忍耐力は既に限界。フリースクールに息子を入所させてほしいと依頼してきたのだ。

部屋にあるのは年代物のPC、今さらどんなソフトを作るというのか……

廣岡校長と引きこもっている部屋のドア越しに息子と話しを始める。しかし、あくまでも温和な雰囲気で交渉を試みる廣岡校長に対して、口汚い言葉で罵ってきた。さらには自分でドアに鍵を掛けておきながら「まずは(ドアを)開けて口先じゃないところを見せてみろ!」と絶叫する始末。

当然こういう茶番には付き合ってられないと判断した廣岡校長は、ドアを破壊して息子を引っ張り出した。そもそもどうして引きこもってしまったのか、その理由を聞き出すと、息子はこう話した。

「事情があって収入がなくなってしまった。それを回復するために今は努力している」

この言葉に、「それがもう12年続いているじゃないですか」と、当然のツッコミが入る。大学受験に失敗したこの息子。その後両親から借金をして会社を興すも、数年で倒産。返す刀で再び両親に無心をし、その金で株に手を出すが、失敗したのだという。

さらにこの期に及んで、息子は「パソコンのソフトを作っているから、それぐらいは作ってから家を出て行きたい」と勝手なことを言う。チラリと映るこの息子の引きこもっていた部屋には、何年も前の型としか思えない古臭いパソコン機器しか見えない。

彼はいまさら、どんなソフトを作ろうというのか。そして作ったところで、それをどう販路に乗せるのだろう……。

「成人の引きこもりの増加が社会保障を圧迫することになる」

息子とスクール側の話し合いは、なんと7時間にも及んだ。現実を認めようとしない息子に対して、根気強く説得を続ける廣岡校長。ここでVTRは次のケースに移ってしまう。

正直「え? あの息子どうなった!?」と困惑するんだけど、この後はゴミ屋敷と貸した親の家を占拠し続ける40代引きこもりを説得する場面に。1年以上入浴もしていないというこの引きこもりも強烈だったが、3時間程度で説得に応じて寮に入って生活することになった。

この後、ワンステップスクール伊藤学校には、14歳から47歳までの寮生37人が、自立を目指した共同生活を送っているという説明が入る。ん? 14歳から47歳……あ、47歳!

冒頭のVTRで登場した、あの12年間引きこもっている47歳の息子も、無事に入寮したということだろう。いや、そう思いたい。

廣岡校長は、最後にこう話している。

「成人者の引きこもりが、相当数増えてきている。それは社会の働き手を失うだけではなく、結果的には社会保障まで圧迫されてくる」

ところで、厚生労働省は、増え続ける成人の引きこもり対策として、平成21年度から「引きこもり対策推進事業」を行っている。地域支援センターを設置するなどして、適切な支援と引きこもりに悩む人々の結び付けを目的とした事業だそうだ。

今回のVTRに登場する家族は、フリースクールに頼っている。恐らく方々手を尽くした末でのスクールへのSOSだったはず。救済の手段については、より多くの人々へ認知徹底を図ってナンボ。そういう意味でも、次は是非、厚生労働省の引きこもり対策事業についての特集を見てみたい。

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