ケビン・マグヌッセンが2016年にパストール・マルドナドに代わって新生ルノーのレースドライバーを務める見込みとなった。
英Autosportが入手した情報によれば、2014年にマクラーレンからF1にデビューしたマグヌッセンが、来月3日にパリで開催予定のルノーF1の発表イベントを前に、今後数日中にも同社との契約にサインする準備を整えているという。
この背景には、ルノーとマルドナドを長年支援してきたベネズエラの国営石油企業PDVSAとの意見の相違があり、契約解消につながったと伝えられている。
ただし両者の交渉はまだ完全に終了したわけではなく、マルドナドがルノーと新契約を結ぶ可能性もわずかながら残されているという。しかしその可能性は極めて低く、ルノーもマグヌッセンとの契約に傾いているようだ。
23歳の誕生日にマクラーレンのリザーブドライバーを追われたデンマーク人は、昨年末にレースを求めてWEC(世界耐久選手権)のポルシェやDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のメルセデスをテストしているが、今はF1キャリアの再スタートのポジションに立っている。
その一方、ウイリアムズで3年、ロータスで2年を過ごしたマルドナドのF1キャリアは一転して終了の危機に直面している。
彼には、マグヌッセンも候補のドライバーに名を連ねたマノー・レーシングへの加入の道も残されている。今後もPDVSAの支援を取りつけることができれば、交渉のテーブルに滑り込む余地はあり、マノーとしてもマルドナド起用で得られる4600万ドルの資金は魅力的だ。
しかし、現在ベネズエラは石油価格の急落で経済および政治が不安定な状況なため、PDVSAが再度F1へ投資することに慎重になる可能性がある。
マルドナドは昨年9月のシンガポールGPでロータスと今季のドライバー契約を発表したが、当時ロータスはルノーとチーム買収に向けた話し合いの最中だった。
その後は検討の結果、ルノーも一旦はマルドナドの継続とPDVSAからのスポンサードを受け入れたとされているが、時間の経過とともにルノーはさらなる検討を行い、PDVSAもスポンサーについて協議することになったという。
そして2週間前、ベネズエラで両者の会談が行われ、PDVSA側が今週に入り契約を終了することを選択したとされている。