映画『ヴィクトリア』が5月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
昨年度の『ベルリン国際映画祭』銀熊賞を受賞したほか、『ドイツ映画賞』で作品賞を含む6部門に輝いた同作。夜明け前のベルリンを舞台に、スペイン人の女性・ヴィクトリアが路上で地元の若者4人組と出会い、やがて極限状態に陥っていく約2時間の出来事を全編ワンカットで描く。
監督のセバスチャン・シッパーは、シーンとロケ地、登場人物たちの大まかな動きを記した12ページの覚え書きをもとに、140分間カットなしのベルリンロケを敢行。登場人物がエレベーターや自転車、自動車などを使って移動する様子を過剰な演出を排除して撮影している。また俳優たちが即興的に発した言葉がセリフになっており、撮影中に起きたハプニングも捉えられている。
3か月前にマドリードを出てベルリンに来たヴィクトリア役を演じたのは、スペイン出身のライア・コスタ。音楽をベルリンを拠点に活動するピアニストのニルス・フラームが担当している。