ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(@atsushilonboo)が国家公務員の賃上げに疑問を呈したツイートがネットで話題になっている。1月24日に「国の借金すごいのに、国家公務員のお給料が上がる仕組みをわかりやすく解説してくださる方いらっしゃいませんか?」とツイートしている。
1月20日の参院本会議で、2015年度の国家公務員の給与を引き上げる改正給与法が可決成立。昨年8月の人事院勧告を受けた内容で、月給が平均0.36%、特別給(ボーナス)が0.1か月分増加するが、淳さんはこれに疑問を持ったようだ。
「民間企業が売上が良くて給与UPするのは理解できますが…それに合わせて借金大国の国家公務員も給与UPするのは…なんでだなんでだろう?」
「たまにいいこと言う」と共感する人もいるが
国家公務員の給与は、すべて国庫から支出されている。しかしその実態は火の車で、「国の借金1000兆円」という表現も使われるほどだ。淳さんの発言のツイートを受けて、普段の発言は共感できないものの「たまにいいこと言う」と共感する人もいる。
2017年4月には消費税10%への引き上げが予定されているが、国が無駄遣いをやめなければいくら増税しても追いつかないと考える人も多く、今回の賃上げにも「税金あげて公務員の給与をあげるのはやめろ」と批判する人がいた。
その一方で、給与は国家公務員の仕事ぶりに対して支払われるものであり、必ずしも国の借金が大きいから給与を下げる必要はないという人も。「国が借金してるのであって、公務員が借金してるわけじゃない」というわけだ。
ある人は民間企業に例えて「借金のある会社が賃上げしちゃいかんの?」と異論を呈していた。給与を下げれば優秀な社員は流出し、残った社員もモチベーションを下げてしまう。政策の質も下がり、国の借金は余計に膨らんでしまうかもしれない。その意味では、もっと給与水準をあげた方がいいという考えもあるだろう。
ボランティアを期待すると「ブラック雇用がスタンダードになる」
国の借金のほとんどは国債であるため、額が大きくても心配する必要がないという人も。
「お父さん(国民)がお金持ちだから、お母さん(政府)がお父さんからお金を借りてやりくりする。お母さんの借金の累計はすごいことになっているけど、家庭は上手く回っていて、お父さんのお金も増えている。さて、お母さんの小遣いは減らすべき?」
なお、公務員の給与は人事院勧告に沿って賃上げや賃下げが行われており、民間企業の従業員の給与水準と均衡させることを基本としている。東日本大震災の際には基本給や一時金が引き下げられており、適正な手続きが踏まれている限り、むやみに「公務員叩き」をすべきでないという人も多い。
国家公務員の給与を下げると、それが民間企業にも波及する危険性をあげる人もいた。「公務員の給与水準下げると民間の基準も下がる」というのだ。
「公務員に『志と熱意があれば低給料でも働くはず』とボランティアを期待すると、そういう公務員は民間企業に自分達と同等の指導を行うようになり、ブラック雇用がスタンダードになってしまうから」
ブラック企業を取り締まったり、景気をよくしたりする行政を行うのも国家公務員の仕事。給与に見合わない仕事には厳しい目を向けつつ、よりよい政策に期待すべきだろう。「政府は労働者の給与を引き上げる政策を採っている」などと指摘する人に、淳さんは「なるほど…参考になりました!ありがとうございます」と返信していた。
あわせてよみたい:公務員が激しく非難される理由