セバスチャン・ベッテルは、セルジオ・マルキオンネ会長の掲げるシーズン開幕戦からの勝利に執着し過ぎるべきではないと考えている。
フェラーリを率いるマルキオンネは、昨年ベッテルの手により目標を上回るシーズン3勝を挙げたスクーデリアが、このオフに王者メルセデスとのギャップを埋め、開幕戦のオーストラリアから「勝てるチーム」になる必要性を繰り返し主張してきた。
もちろんベッテルも、リーダーであるマルキオンネのそうした野望は理解しており、マラネロの人々と勝利に対する想いを共有している。
「オーストラリアで勝たなければならないとわざわざ会長から説明される必要はないよ」と、ベッテルが『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に語ったと、英Sky sportが伝えている。
「みんな勝ちたいと思っているのは当然だ。僕らは大きなチームで沢山のスタッフを抱えているけど、彼らひとりひとりに勝ちたいかどうかを聞いてみれば、ほとんどの人々が勝ちたいと言うさ」
「けれど、昨年の大きなギャップを知っているから、それが野心的な事だということも理解しているんだ」
「今は状況も変わったし、テストが終わったら何かが見えてくると思うけど、それまでは断言すべきではないよ」
ベッテルは開幕戦から勝利することも重要だが、それ以上にシーズンを通した成功、つまりタイトルをメルセデスから奪い獲ることが一番重要なことと捉えている。
「新車の開発は続いている。当然メルボルンでは優勝を狙っていくし、できるだけ多くのポイントを獲るつもりだ」
「ただ、21戦を想定して、すぐに勝ちたいか、それともタイトルを獲得したいかと問われれば、そうだね、比較できないかな」
フェラーリは、ミハエル・シューマッハーの支配的なシーズンが終わりを告げた2004年以降、開幕戦で勝ったのは2007年と2010年のわずか2度だけで、ベッテル自身も2011年の1度しかない。
彼らはコードネーム『667』の新車を2月12日以降にオンラインで発表することを明らかにしているが、イタリア誌はプレシーズンテスト開幕の3日前、2月19日に新車が公開されると伝えている。