ピレリはレース中に観客や視聴者に対し、ドライバーの最新のタイヤ情報が表示される方法を開発すべく、F1商業権を持つFOMとともに取り組みを進めている。
2016年シーズンは5つめのコンパウンドが導入されるうえ、チームはグランプリ開催中ある程度は自由にタイヤを選択できるようになった。ピレリのマリオ・イゾラは、この複雑な状況をファンにわかりやすくしたいと考えている。
「我々にはFOMと統合されたシステムがあり、すべてのデータをテレビやラジオに送ることができる。レース中に何が起きているのか、すべての観客にわかるように情報をリアルタイムで送るため、FOMと取り組みを進めている。状況や戦略がどうなっているのか、メディアにとっても役立つ情報だと思う」
これまでどおり各ドライバーは13セットのタイヤを与えられるが、このうち2セットはピレリが選択してレース中の使用が義務づけられる。2セットのコンパウンドは異なるものになる可能性もあり、このうち最も軟らかいタイヤはQ3で使用しなければならない。
イゾラは、チームの戦略における選択肢が増えることで、レースが活気づくことを願っている。
「さまざまな戦略と、より面白いレースが見られるようになることを期待している。そのためには情報が不可欠で、どのドライバーにどんなタイヤが残されているかを知る必要がある。スタート時には通常6セットのタイヤがある。ピットストップの際には使用済みのタイヤにバツ印をつけ、そのドライバーに、どのタイヤが残されているかを明確にする」
複雑化するタイヤ規定。サーキットやテレビで観戦するファンに対して新たなサービスが提供されれば、あまり心配することはない──?