映画『キネマ純情』が、3月12日から東京・渋谷のアップリンクほか全国で順次公開される。
同作は、ドラマ『監獄学園-プリズンスクール-』や映画『片腕マシンガール』などの井口昇が監督を務めた作品。自主映画に出演することになった演劇部の女子高生たちが、サディスティックな監督のナオミに精神的に追い詰められ、やがて彼女たちの関係にひずみが生じていく、というあらすじだ。女性同士のキスシーンが数多く登場する「青春百合映画」になっているという。
主演を務めるのは、「映画界のアイドル女優」を育成するために井口昇が立ち上げたオーディション「アイドル映画夢工場」で選抜された5人組アイドルグループ「ノーメイクス」。映画初主演となるノーメイクスは、同作のエンディングテーマも担当している。共演者には、大部彩夏(lyrical school)、山本愛莉が名を連ねている。
公開中の予告編では、ノーメイクス演じる女子高生たちが自主映画の撮影を行なっている様子に加え、彼女たちの唇が触れそうになるシーンが盛り込まれている。また同作には大林宣彦がコメントを寄せており、「井口昇、極みの映画」と賛辞を贈っている。
■井口昇監督のコメント
この作品を撮るために生まれてきた
僕は自分にとって大事な事を語りたくなる時、必ず女性が主人公の物語になってしまいます。
男子の話が嫌だという訳でないけど、自分の心の奥にある気持ちを伝えたい時、女性の人物に託してしまうのです。
小さい頃から、女の子どうしが手を繋いでトイレに行ったり、軽いノリでキスできたり戯れられる女子の姿に憧れ、それが叶わない息苦しさをずっと感じて生きています。
この作品は自主で作っているだけに、思い入れの強い作品です。
主人公の5人の少女は、それぞれ自分の分身でもあります。愛とか、死とか、運命とか。
どうしても描かなくてはいけない事を託せる女優さんを自分で探したくなり、オーディションをやりました。
そして選んだ5人で「ノーメイクス」というアイドルを結成し、主演をして貰いました。
アイドルは、女神でもあります。「ノーメイクス」は繊細かつ大胆な演技でスクリーンに輝いています。
それは僕の想いよりずっと力強く、感動的に、迷える人々を救ってくれる気がしています。
いま、思います。僕はこの映画を彼女達で撮るために生まれてきたのだと。