マクラーレンの新CEOに就任するヨースト・カピートには、フォルクスワーゲンを離れてチームに合流したあと、F1チームの立て直しのために「やるべきことをやる」自由が与えられるという。
昨年カピートは、フォルクスワーゲンのラリーチームを3度目のWRCタイトルへと導いた。一方、マクラーレン・ホンダはみじめなシーズンをすごし、コンストラクターズ選手権でも9位と低迷した。
マクラーレンは会社の運営に「マトリックス・マネージメント・システム」を採用している。これはタスクに応じて各部署のリーダーを集め、集団でマネジメントにあたるというものだ。
カピートは、まだ加入後に組織がどう変わるかという話はしていないと認めながらも「私にはやるべきことをやる自由が与えられる。現状は典型的なマトリックス型だ」と英国オートスポーツに語った。彼がチームに合流するのは、フォルクスワーゲンでの現職の後任が決まったあとになり、F1シーズン開幕後の4月か5月ごろと予想されている。
現在のマクラーレン・ホンダにとって1年目が厳しいシーズンになった理由として、一部では両社の文化の「衝突」が示唆されていた。その点でカピートは、かつて日本企業と仕事をした経験が役立つと考えている。彼がザウバー・ペトロナス・エンジニアリングに在籍していた1990年代に、同社はあるプロジェクトでヤマハに協力した。
「関係をうまく機能させる必要がある」と、カピートは語る。
「それぞれのメンバーがどこで仕事をしていようと、全員がひとつのチームでなければならない。チームをまとめあげるのは、どんな場合でもなかなか難しい仕事で、チームの一部が遠い異国にいたり、相互に文化的な違いがあったりすると、さらに難しさが増すものだ」
「だが、私は過去に日本人と仕事をしたことがあり、それには少なからず経験がある」とカピートはマクラーレンでの仕事に自信をのぞかせている。