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ロータスF1、昨年はマシンパーツの信頼性の限界を引き伸ばす

2016年01月27日 13:51  AUTOSPORT web

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2015年 第19戦アブダビGP パストール・マルドナド
ルノーのアラン・パーマンは、昨年のロータスF1チームが厳しいシーズンを通じて、安全性に配慮しながらパーツの信頼性の限界を「引き伸ばして」使っていたことを認めた。

 ルノーによるロータスF1チーム買収の交渉が長引いたため、彼らはロータスE23の2015年後半戦での開発を諦めざるをえなかった。それまでのチームオーナーが、まもなく売却されるチームへの投資をやめてしまう一方で、ルノーもまだ正式には買い取っていないチームに資金を供給することを拒んだからだ。

 トラックサイドオペレーション・ディレクターのパーマンは、結果としてほとんどアップグレードができなかったばかりでなく、一部のパーツは耐久性の面で限界を攻めた使い方をしていたと述べている。

「それに関して、私はたびたび不満を訴えていたし、クルマを十分にアップデートできないという事実を隠そうともしなかった」
「だが、リソースが極端に不足する中で、私たちのデザインオフィスは、どんなに小さな改良でもできることはすべてやろうと頑張っていた。舞台裏で働く人たちは、新しいパーツをサーキットに持ち込み、クルマを走らせ続けようという決意と意欲を失っていなかったんだ」

「きわめて限られた予算で活動を維持していくのは容易ではなかった。もちろん、安全性の限界を超えるようなことはしなかったが、パーツの信頼性の限界については、かつて一度も踏み込んだことがない領域まで引き伸ばして使用していた。それができたのは、一部のパーツを通常より長く使えるかどうか、実験室で特別にテストしたりしていたからだ。そして、そんな努力から学んだことも少なくなかった」

 パーマンは、チームが優れたクルマを作りながら十分な開発ができず、シーズンを通じて悔しさを募らせていたことを認めている。
「私たちが冬の間にかなりいいクルマをデザインしたことは明らかだった。実際、メルボルンの予選では2台揃ってトップ10に入っている」と、彼は言う。

「その後は後退する一方だったとまでは言わない。悪い時があれば良い時もあって、モントリオールやスパでは、とてもいいレースができたからね。ただ、こっちが足踏みをしている間にフォース・インディアが追い付いてきて、やがて追い越していった。それは純粋に彼らの功績だ。彼らはとてもいい仕事をした」

「フォース・インディアは年間を通じてマシンの改良を進めてきた。それに対して、残念ながら私たちは、開幕からずっと同じ場所に立ち止まっているようなものだった。悔しかったね。いいクルマを手にしていることは分かっていて、いつもの年なら競争力を維持し、高めることさえできたのに、昨年はそれができなかったのだから」
「普通に開発ができていれば、ライバルに大差をつけてコンストラクターズ選手権5位に入れたのは間違いない。私は心からそう信じている」