ウエットタイヤのテストを終えたピレリは、必要があれば改良版の「エクストリームウエットタイヤ」を、できる限り早い段階で導入するつもりだという。
南フランスのポールリカール・サーキットでコースのスプリンクラーを利用してウエットコンディションのシミュレーションを行い、2日間のテストをこなしたピレリ。テストの目的はふたつあり、ひとつは路面コンディションが改善した際に摩耗が早いエクストリームとインターミディエイトタイヤの境界を改善するというもの。もうひとつはアクアプレーニングへの抵抗を、少なくとも現在と同レベルに保つためのものである。
テストはフェラーリ、レッドブル、マクラーレンが担当し、合計で約1500マイル(約2414km)を走行した。
ピレリのレーシングマネージャーを務めるマリオ・イゾラは「データを分析する必要があるため、いまはテスト結果からの最終評価を話すことはできない。異なるスペックを異なるマシンに試したため、最終的な結果を語るのは簡単なことではないが、1週間程度で報告できるようになる」と話している。
「エクストリームウエットは良いコンパウンドであり、トレッドパターンの変更もよく機能していたというのが第一印象だ。今回の仕様を製品として販売したいとは思わないが、テストを行った各種プロトタイプにはポジティブな要素があったと自信を持って言える。もちろん、このテストから新製品を生み出すことができれば、シーズン中できる限り早い段階で導入する」
イゾラは、テスト初日の走行後にキミ・ライコネンが示したタイヤの改善度に対する懸念については心配していないと意見を述べた。
「キミは、さまざまなプロトタイプをフルウエットのコンディションでテストした。私の知るところでは、彼は不満を持っていたわけではない。大きな変化を感じなかったようだが、目的のひとつは、可能であればフルウエットで少々良い製品を作ることだったので、予想外の事態ではない」