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劇団☆新感線「いのうえ歌舞伎」新作公演に稲森いずみ、大東駿介ら

2016年01月27日 11:50  CINRA.NET

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『2016年劇団☆新感線春興行 いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK 「乱鶯」』 ビジュアル ©2016 いのうえ歌舞伎《黒》BLACK『乱鶯』/松竹・ヴィレッヂ・劇団☆新感線
『2016年劇団☆新感線春興行 いのうえ歌舞伎≪黒≫BLACK 「乱鶯」』が、3月5日から東京・新橋演舞場、4月13日から大阪・梅田芸術劇場、5月8日から福岡・北九州芸術劇場で上演される。

劇団☆新感線の春公演となる同作は、神話や史実などをモチーフに、いのうえひでのりが演出を手掛ける時代劇「いのうえ歌舞伎」シリーズの最新作。仲間を皆殺しにされた盗賊の頭・鶯の十三郎を主人公に、サスペンスや大人の恋を描く「ハードボイルド本格派時代劇」だ。

出演者には、十三郎役の古田新太をはじめとする劇団☆新感線の劇団員に加え、7年前に十三郎の命を救った居酒屋の女将で、夫の亡き後は十三郎に支えられながら店を切り盛りするお加代役の稲森いずみ、十三郎の恩人の息子で盗賊を追う血気盛んな若者・小橋勝之助役の大東駿介、悪の限りを尽くす役人・北町奉行所与力の黒部源四郎役の大谷亮介らが名を連ねている。

脚本は、劇団ペンギンプルペイルパイルズの主宰を務め、同劇団の第6回公演『ワンマン・ショー』で『第48回岸田國士戯曲賞』を受賞した倉持裕が担当する。チケットの発売日などの詳細は、オフィシャルサイトをチェックしよう。

なお劇団☆新感線の秋公演の脚本は宮藤官九郎が担当する。作品の詳細は続報を待とう。

■倉持裕のコメント
いのうえさんからオファーをいただいた時には「派手なことはできませんよ」と一応断りを入れさせていただきつつ、それでもよければぜひ!ということでお受けしました。かつて凄い腕を持っていた人物が年齢的に枯れて、ゼイゼイと息切れをさせながら無我夢中で斬り合う……そんな場面で古田さんがしんどそうに刀を振っている姿をイメージしながら、この老盗の物語を書き上げました。
江戸時代の設定である程度リアルに描きたかったので、貨幣価値や当時の風俗、物語の舞台となる浅草や日本橋の地理や距離感などを正確に知るために資料にあたるのがなかなか大変ではありました。でも誰かが誰かのために命を賭けるという人情を描くことに、あまり理由をつけずに説得力を持たせられるのが、こういう時代劇の良さだと思います。
最後の最後に待つ大立ち回りまでは主に会話劇になるので、演じる側もお客様もそこまで息を止めていられるかがポイントとなります。きっちりと演技ができる新感線の劇団員の方々なら、この繊細な人間ドラマ、心の機微みたいなものを丁寧に演じてくれるはず。そしてそれをいのうえさんがどう演出されるのかを僕自身もとても楽しみにしています。

■いのうえひでのりのコメント
いのうえ歌舞伎をファンタジー寄りの物語ではなく、リアルに、生活感のある、いわゆる“なんちゃって”ではない本格的な時代劇でやってみたいということは以前から思っていました。ここ最近は『五右衛門vs轟天』しかり、大人の新感線の『ラストフラワーズ』しかり、とにかく笑いに重きを置く芝居が連続していたので、今回はカッコよくキメた芝居をやろう!ということですね。本格派時代劇というのはやはり自分にとってもチャレンジですので、ここは絶対的に信頼できるゲストをキャスティングさせていただきました。そしてM&Oplaysプロデュースの『鎌塚氏シリーズ』(2011年~)で純粋なエンターテインメントも書いておられる倉持くんに、今回初めて声をかけさせていただいたわけです。脚本は第1稿からとても面白かったので、自分自身も今からワクワクしています。
そして、実は劇団本公演のいのうえ歌舞伎に劇団員がここまでフルメンバーで揃うということは、この先しばらくは実現しないと思われます。その点からも今回は貴重な公演と言えますので、みなさんどうぞお見逃しなく!!